脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第81回)
成功するポイント?アクセスポイント
公開日:2023.08.21
製造業におけるDXの目玉の一つは工場のスマート化だろう。これにより生産性を上げた工場は「スマートファクトリー(工場)」と呼ばれる。具体的にはIoTやAIを駆使して、生産ラインや品質管理システムをネットワークで結び、生産業務の指標となる各種データの管理を効率化し、生産性を向上させていく。
しかし、スマート化と同時にセキュリティリスクも意識しなければならない。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)では「スマート工場化でのシステムセキュリティ対策事例調査報告書」を公開し、リスクとその対策についての指針を示している。生産現場のスマート化を考える上で参考になるはずだ。
IoTやAIといった新しいテクノロジーは生産現場を大きく変えようとしている。実際に、多くのIoT機器を導入し収集したデータをAIで分析、生産ラインの効率化を実現して大きな成果を上げている中小企業も次々と登場している。
だが、工場のスマート化は新たなリスクをもたらす可能性がある。その代表がセキュリティリスクだ。ネットワーク化を進め、自社の事業所や取引先などとも情報のやり取りを緊密にするようになれば、悪意を持った攻撃者に狙われやすくなる。万一、システムを乗っ取られたりデータを盗み出されたりすれば、大きな損害につながる恐れがある。
安心して利用できる情報化を支援するIPAでは、スマート化した工場である“スマート工場”におけるセキュリティについて具体的な対策への指針を提供するために、先進的なスマート工場の事例を調査して、セキュリティ対策の項目を整理した「スマート工場化でのシステムセキュリティ対策事例調査報告書」を2023年7月に公開した。
報告書の特徴は、国内のモデル事業者1社の実施内容を整理した上で、モデル事業者以外の国内企業8社の現状との差分などを踏まえて、観点や対策を追加して汎用性が高められている点にある。工場のスマート化を考える多くの製造業にとって、自社のリスクを洗い出すためのガイドラインとして活用できるだろう。
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執筆=高橋 秀典
【TP】
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