覚えておきたい情報セキュリティ&ネットワークのキホン(第19回)VPNとは?用途や接続方法、使い方などを紹介

ネットワークセキュリティ

公開日:2022.09.26

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 「VPN」とは、Virtual Private Networkの略で、通信回線上に構築した仮想のプライベートネットワークを示します。VPNは「仮想専用線」とも呼ばれており、セキュアな通信環境を確立できることから、複数拠点での通信ネットワークを中心に幅広いシーンで活用されています。

 この記事では、VPNの用途や接続方法、種類、使い方、メリット・デメリットなどを解説します。

目次
・VPN接続の仕組み
・VPNの主な利用用途
・VPNのメリット・デメリット
・遅延が発生しにくい安定したVPNサービス

VPN接続の仕組み

 はじめに、VPNの基本的な仕組みや種類について解説します。

VPNで何ができるのか
 VPNは仮想的な専用回線を構築することでトラフィックを暗号化し、第三者への情報漏えいなどが起こりにくい通信環境を実現します。

 一般的な通信回線は「共用回線」と「専用回線」に分類できます。共用回線は複数のユーザーと回線を共有することにより低コストで利用できますが、情報セキュリティ面は必ずしも盤石とは言えません。専用回線は特定のユーザーしか利用できない回線によって高い情報セキュリティが期待できますが、拠点間の距離や速度に応じて費用が発生し、共用回線と比べてコストが高くなる傾向にあります。

 その点、VPNは共用回線上に仮想的な専用回線を構築する手法のため、高い情報セキュリティと「専用回線」に比べ低コストの両立を期待できる点が大きな特徴です。

VPNの種類
 VPNにはさまざまな種類がありますが、主に「インターネットVPN」と「IP-VPN」の2つが挙げられます。

 インターネットVPNは共用回線であるインターネット上に仮想的な専用回線を用意する方法です。既存のインターネット回線を利用するため、比較的安価に導入できる点がポイントです。

 一方のIP-VPNはインターネットを通らず通信事業者の閉域IP網(特定のユーザーのみ利用可能な通信回線)を利用する方法です。より強固な情報セキュリティが期待できるものの、インターネットVPNに比べてコスト高になることが少なくありません。

 以下、それぞれの接続方法について詳しく説明します。

VPN接続の仕組み(インターネットVPN)
 インターネットVPNではセキュアな接続を確立するため、「暗号化」「カプセリング」「トンネリング」「認証」などの技術が使われています。

・暗号化:データを第三者が識別できない文字列に変換する技術
・カプセリング:データをプロトコルに包んで隠す技術
・トンネリング:インターネット上に仮想的な通信経路を構築し拠点間をつなげる技術
・認証:仮想回線が正当な利用者に使われていることを確認する技術

 これらの技術を組み合わせることで、専用回線のように情報セキュリティの高い接続環境をインターネット上に構築できるのです。

VPN接続の仕組み(IP-VPN)
 IP-VPNは通常のインターネット回線ではなく通信事業者の閉域IP網を利用して拠点間を直接接続するため、外部にデータが漏えいする可能性は低く安全性が高い点が特徴です。IP-VPNの多くは、MPLS(Multi Protocol Label Switching)という技術が使われています。MPLSは、通信時のデータの単位である「パケット」にラベル付けを行うことで、送信先を指定する仕組みのことで、高速かつ安定した通信が期待できます。

VPNの主な利用用途…

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執筆= NTT西日本

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