オフィスあるある4コマ(第11回)
チャットも会議も電話もマルチタスクを1台で
2021.03.24
福岡県直方市の小林英樹税理士事務所は、現所長である小林英樹氏の祖父が1954年に開業した歴史ある事務所だ。法人約50件、個人約100件の顧客を擁して、確定申告を中心に業務を行っている。ICTにも明るい小林氏は、事務所業務のAI(人工知能)やICTの活用だけでなく、顧客への導入サポートも手掛けるデジタル時代の税理士でもある。
この事例のポイント3つ
・税理士事務所の事務職員の人手不足をITでカバー
・罫線入りの伝票も読める高精度なAI OCR
・適材適所のツール活用で業務効率化を実現
「昔は事務員を多く抱えて人海戦術で業務を進めていた税理士業界ですが、最近は事務員のなり手も少なく、コストの面でも人手に頼った運営がしにくくなりました。人材不足の一部を、IT化して解決していこうという取り組みを進めています」
こう語るのは、福岡県直方市で小林英樹税理士事務所を開業している小林英樹氏。祖父の代からの税理士事務所を20年ほど前に受け継ぎ、地方都市の平均的な税理士事務所の規模感で業務をしているという。従来は所長以下5人の体制で運営していたが、事務員の退職などにより、2020年からは小林氏夫妻で業務を切り盛りすることになった。
税理士事務所は、法人や個人事業主から依頼された確定申告が業務の中心だ。振替伝票や領収書など、顧客から預かった紙の伝票類に記載された事項を、データ化する作業が膨大になる。従来は慣れた事務員が手作業でパソコンに入力してデータ化していたが、業界全体で事務員の人手不足は深刻で、小林氏の事務所でも人海戦術は難しくなっていた。
「数年前、事務員が確定申告の時期に突然辞めるという悪夢のような事態に陥った年がありました。そこで、知り合いに紹介してもらった税理士事務所向けの財務・税務サービスを利用して、なんとか窮状を乗り切りました」(小林氏)
これが2019年のこと。利用したのは税務に特化したサービスで、伝票類をスキャンして送ると、金額から費目の仕分けなども含めて人手でデータ化してくれる。
IT活用は必須だと言う小林税理士の仕事風景
一方で課題もあった。利用していたのは、19時までに伝票をスキャンして渡すと、24時間以内にデータ化される。「日常的な業務ならこの所要時間で問題ないのですが、確定申告の繁忙期には時間との戦いで、タイムラグが課題でした。例えば金曜日の19時過ぎにスキャンして渡すと、データが出来上がるのは月曜日の19時過ぎになる場合があり、このタイムラグをなんとかしたかったのです」と小林氏は語る。
そこで、小林氏は行動に出た。なるべくリアルタイムで処理できる製品やサービスの導入を検討し、会計ソフトベンダーの製品とOCR(光学的文字認識)ソフトを合計で10件近く試した。そうした中で、NTT西日本の『おまかせAI OCR』の無料体験を知り、試すことにした。
執筆=岩元 直久
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