子どもを社長にする子育ての極意(第8回)本音が小山進をショコラ界の天才へと導いた(後編)

経営全般

公開日:2016.07.07

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 経営者の育てられ方から子育ての極意を学ぶ連載。今回はパティシエ エス コヤマの小山進社長の後編です。前編で紹介した通り、小山社長は母親の愛情をたっぷり受け育ちました。後編では、ケーキ職人になる気になった小山社長の将来を決めた父親の一言を紹介します。

 母親の愛情を満身に受けて育った小山社長がなぜ、その母親から「絶対なったらあかん」と反対されていた、ケーキ職人の道を選んだのか。転機は、高校2年のクリスマスイブに起こった事件でした。

パティシエ エス コヤマ社長・小山進の場合

小山進(こやま・すすむ)

1964年生まれ。83年に「スイス菓子ハイジ」に入社。2000年パティシエ エス コヤマを設立。03年、兵庫県三田市に出店。チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ・パリ」をはじめ、海外のコンクールで受賞多数

 その日、小山は父親の勤め先でアルバイトをしていた。徹夜覚悟で何百個ものケーキを作る小山たちを尻目に、同じ会社の和菓子職人たちはそそくさと後片づけを始める。父親は「良いクリスマスを」と笑顔で送り出したが、小山は不公平だと感じた。

 「どうして、自分たちだけが残らなければいけないのですか。同じ会社で働く仲間なんですから、クリスマスイブの今日くらい、手伝ってくれてもいいでしょう!」

 父がトイレに行っている隙に、小山が和菓子の責任者にそう抗議すると、いつもは穏やかな父が背後から声を荒らげた。

 「何も知らんくせに、いらんこと言うな!」

 小山は言葉を失った。

 なぜなら、生まれてから一度も、父親に怒鳴られたことがなかったからだ。

 会社の同僚の手前、思わず息子を?ってしまった父は、明らかに動揺していた。仕事を終えた帰り道、父親はポツリとつぶやいた。

ショックだった父の告白…

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執筆=北方 雅人/本荘 そのこ

北方 雅人
1969年兵庫県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、91年に日経BP社入社。主に経営誌の編集部を渡り歩き、現在は、オーナー経営者向けの月刊経営誌『日経トップリーダー』副編集長。


本荘 そのこ
1969年北海道生まれ。法政大学大学院経済学研究科経済学専攻修士課程修了。地方新聞社、法律事務所勤務などを経て、98年からフリーの記者として活動。

【T】

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