急務!法対応(第13回)
自動車の「OBD検査」が10月からスタート。準備は万全?
公開日:2018.09.05
絶え間ない問い合わせ対応に終始し、本来やるべき業務を圧迫している例は多い。外国人向けにも対応すべきケースも増え、こうしたコミュニケーションを多言語で行わなければならず、負荷は増すばかりだ。この解決手段として成果を上げているのがチャットボットだ。
チャットボットとは、チャットを通じて人間とメッセージをやり取りするプログラムのことだ。ある宅配便事業者では、荷物の問い合わせ番号を入力すると、配送状況を通知するチャットボットを提供している。ほかにも神奈川県横浜市では、廃棄したい物の名前を入力すると、分別の案内をしてくれるチャットボットを運用している。
チャットボットなら問い合わせ対応に人手をかけなくて済む。チャットボットにあらかじめFAQの回答例を組み込んでおけば、プログラムが自動的に応答してくれる。問い合わせる側も、自分の好きなタイミングで質問を投げれば、ほぼリアルタイムで回答をもらえるメリットがある。
チャットボットにはいくつかの種類がある。1つは、ルールベースで動くチャットボットだ。人工無脳型と呼ばれる。キーワードごとに定義したFAQのルールに基づき、自動的に回答する。チャットボットの対応力を上げるには、FAQシナリオのロジックをしっかり組まなければならない。FAQがきちんと準備されていれば、導入負荷は軽減できる。自力でFAQを整備できない場合は、コンタクトセンター運用に実績のあるベンダーなどのサポートが欠かせない。
もう1つは、AI(人工知能)型の製品だ。AIが問い合わせ内容を学習して、最適な対応をつくり上げる。例えば宿泊施設の場合、価格についての問い合わせ1つ取っても「宿泊代」「料金」など言い回しが複数ある。AIなら言葉を学習できるので、こうした表記の揺れにも対応可能だ。学習期間はかかるが、使いこなすほど精度が上がる。ルールベースとAI型を組み合わせたAIチャットボットも存在する。
では、どんなチャットボットを選ぶべきか。まずポイントとなるのは、対応SNSの種類だ。外国人旅行客を相手にするならば、全世界で十数億ユーザーを持つFacebook、そして中国で代表的SNSであるWeChatへの対応が欠かせない。対して日本市場で一般的に使われているのはLINEとなる。SNS対応をするのであれば、Facebook、WeChat、LINEの3つへの対応が重要となる。観光業の場合、サポートする言語数もポイントになる。英語対応はもちろんだが、リピートが多い中国、韓国の旅行客への対応も必要だ。
チャットには要望や不満など、旅行客の生の声が入っている。チャット内容の分析ができれば、サービス向上のヒントにもなる。この宝の山を活用すれば、効果的に顧客満足度向上の施策を打てる。分析サービスを提供できるかどうかも、ベンダー選択の重要な要素となる。
\ かんたん入力で登録完了 /
執筆=岩崎 史絵
【M】
企業のDX対応意識調査2023
データの利活用にとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルの変革や経営革新の切り札として期待される「DX(デジタルトランスフォーメーション)」推進。企業はその対応に向けて何を進め、どのような点を課題に感じているのだろうか。こうした企業意識について調査を行いました。
中小企業のためのセキュリティ強化術 当社も攻撃の標的に?中小企業向け「必要最低限」のセキュリティ強化は
サイバー攻撃の勢いが増している中、あらゆる企業が標的にされる可能性が高まっている。予算やIT 人材が限られている中小企業は、どうすればセキュリティを強化できるのか。セキュリティの基本的な考え方を解説しながら、中小企業がセキュリティを強化するためにはどうすればいいのかをご紹介します。
企業の情報セキュリティリスク認知調査2023
テクノロジーの進化によって、生産性の向上や多様な働き方の実現などの恩恵がもたらされる一方、サイバー攻撃も多様化・複雑化の一途をたどっています。こうした中、攻撃手法などの情報セキュリティリスクをどれくらい認知しているのだろうか。その最新動向について調査しました。