“ゆとり君”と働くために覚悟しておくこと(第2回)東大卒でも英語の筆記体は読めない

教育機関の変革 コミュニケーション

2015.07.01

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 私が企業における研修などでゆとり世代について説明する際、驚かれることが最も多いのが、「28歳以下の若者は、英語の筆記体が読み書きできない」という事実です。

 この話をすると「ゆとり世代はそんなにレベルが低いのですか」と思われる方が多いようです。確かに、上司世代の方々で、英語の筆記体が書けないという方はいないでしょう。ある意味、常識の一つとも言えます。

授業時間が2割、授業内容は3割も減った

 しかし、この事実だけで、ゆとり世代の学力が低いと決めつけてしまうのは間違っています。彼らは、英語の筆記体そのものを学校で習っていないのです(文部科学省中学校学習指導要領第2章第4節より)。東京大学の卒業生、つまり学力が十分以上に高くても、28歳以下なら、英語の筆記体が読み書きできない人がいても不思議はありません。

 ただし、学校ではそれでよくても、実際の社会では不都合がたくさん出てきます。例えば、海外と取引のある企業に勤めた場合、筆記体を使用する機会は山ほどあります。商社をはじめ、貿易会社や、商品の多くを海外から輸入している企業でも同じです。アパレル会社のブランド名が筆記体になっていて、それが「読めません」では社員は務まりません。そこでこうした企業では今、新入社員研修で英語の筆記体を教えているのです。

 「筆記体を知らない」ことは一つの象徴的な事例にすぎません。筆記体を知らないのはゆとり世代が悪いのではなく、筆記体を教えていないことを知らない社会に問題があるのです。社会に出た時に不都合が起きるような教育を受けさせられたゆとり世代は、むしろ被害者と言えるかもしれません。まずは、ゆとり世代が受けた教育が、現実の社会との間にどのようなギャップを生じさせているかを知り、彼らをしっかりと理解してほしいと思います。

 ゆとり世代は正確に言うと、1987年度以降に生まれた若者のことになります。この世代の若者は、それ以前の世代と比べて授業時間を2割、授業内容は3割もカットされた「ゆとり教育」を受けてきました。前述の「英語の筆記体」も、このカットされた内容に含まれていたのです。当然ですが、従来の世代と比べて様々な科目で学力がかなり低下しているのも、ゆとり世代の特徴になります(OECD生徒の学習到達度調査より)。

 参考までに、団塊ジュニア世代以降の時代背景を表にまとめました。受験や就職など、激しい競争にさらされた団塊ジュニア世代と比べて、それ以降の世代を取り巻く環境が急激に変化したことがお分かりいただけるかと思います。半面、ゆとり教育を担う学校の先生の立場から見ると、極端な話、給料はそれまでと変わらずに、授業時間が2割、授業内容が3割減るのですから、導入当時はゆとり教育を肯定的に捉える声が多かったこともうなずけます。

理解の鍵は「相対評価から絶対評価へ」

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柘植 智幸じんざい社

1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。

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