MIT×デロイトに学ぶ DX経営戦略(第8回)デジタル人材が持つべきマインドセットとは?

経営全般 デジタル化

2022.02.14

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

価値あるデジタル人材とは?

 「社員が最も重要な資産だ」。それを聞くと私たちは天を仰ぐ。これは企業のリーダーがよく口にする善意の言葉だが、ありふれた決まり文句になってしまい、本来の意味と重要性がほとんど失われている。とはいえ、秀逸なデジタル戦略にはまず秀逸な人材が必要となる。変化が加速度的に生じる世界では、組織にとって最善の戦略は、組織が変化の海を乗り切れるようなインフラを確立することだ。それは最も有力な資産から着手される――もちろん、社員である

 デジタル人材を確保できないことが、実はデジタルディスラプションが引き起こす重大な脅威の一つであることが、私たちの調査で分かっている。だが、価値ある人材を確保する方法について述べる前に、デジタルワークが進む環境で成功するためにはどのような人材とスキルが最も重要なのか、明確にしなくてはならない。

ハードとソフトの、ハイブリッドスキルが求められている

 テクノロジーが急速に変化する世界では、テクノロジーに関するスキルと能力は重要で、今後の仕事とキャリアにとって必須条件となりつつある。これは何も新しい問題ではない。60年前、ソビエト連邦が人工衛星スプートニクの打ち上げに成功すると、アメリカに衝撃が走った。アメリカより数カ月も早いソ連の成功は屈辱的だった。この出来事は、「アメリカの科学教育に待ち望まれていた改革を実行するきっかけとなった。科学教育に新たな方針が必要だと長年推進してきたアメリカの科学界は、この国家的な機運の高まりを捉え、カリキュラムを刷新した」。

 私たちは現代版スプートニク効果を経験している。実際、過去20年間におけるSTEM(科学Science、テクノロジーTechnology、エンジニアリングEngineering、数学 Mathematics)教育への投資の増加は、こうした分野が個人間、組織間、地域間競争において重要な役割を果たすという認識を裏付けるものだ。

 アメリカ連邦労働統計局は、2012年〜22年の間にこの分野の雇用は900万人まで増えると見込んでいる。多くの組織が、プログラミング、データサイエンス、データアナリティクスなどのテクノロジー関連のスキルを、最も需要のあるスキルとして挙げている。ただ、本格的で深いテクノロジーのスキルは重要であり、将来のために必要な能力ではあるが、必要となる唯一のスキルではない。それどころか、必要とされるスキルの中で最も重要なスキルとはいえないかもしれない。

 STEMの分野に、人類学、心理学、社会学などのソフトサイエンスを含める人もいるが、これまではエンジニアリングやプログラミング、数学などのハードサイエンスに圧倒的に重点が置かれてきた。それでも、従来のSTEMの分野にアート(Art)を加えることを提唱するSTEAMという運動が起きているように、創造性がイノベーションで重要な役割を担うことが、ますます認識されつつある。企業は現在、ハードスキルとソフトスキル、テクノロジースキルとビジネススキル、この両者のバランスを図ろうとし始めている――すべてを同じ一人の人に求めようとしている。これを、多くの組織が多様なテクノロジーで作ろうとしている山にも似た、スキルの“山”と見なすといい。現在、このようなハイブリッドな役割が組織で増えている。

スキルを越えて、マインドセットへ…

続きを読むにはログインが必要です

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

訳者=庭田 よう子

翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。おもな訳書に『目に見えない傷』(みすず書房)、『ウェルス・マネジャー 富裕層の金庫番』(みすず書房)など。

「経営全般」人気記事ランキング

AIによるおすすめ記事

他の方はこんな記事も見ています

連載バックナンバー

オンラインセミナー動画

配信期間

2022年6月3日(土)~2023年3月31日(金)

業務効率化関連

企業のDX化と「攻め」のオペレーションへの転換

DXという言葉はすっかりバズワードとなり、今やすべての企業にとってデジタル化は必須となっています。
しかし、DXの捉え方は会社によってさまざまで、「とりあえずデジタル」のような取り組みをDXと位置付けているケースもございます。
本セミナーでは、まず第一部で企業におけるDXの定義とDX活動を着実に前進させるポイントについてご説明し、第二部ではDX活動の第一歩として「おまかせAI-OCR」を活用したオペレーション改革について、具体例を交えながらご紹介します。

配信期間

2022年5月11日(木)~2023年3月31日(金)

セキュリティ関連

テレワーク時代に潜むセキュリティリスク
~企業がとるべき対策とは~

組織のネットワークに侵入し、重要な業務データの暗号化や盗難と金銭目的の脅迫を行う「侵入型(標的型)ランサムウェア」が猛威を奮っています。
日本でも被害が相次ぎ最大限の警戒が必要な状況が続いていますが、オフィスのリスク・脅威への備えは万全ですか?
本セミナーでは、最新の侵入型ランサムウェア動向とその対策についてご紹介します。