MIT×デロイトに学ぶ DX経営戦略(第15回)速く、速く、速く

業務課題 経営全般 デジタル化

公開日:2022.09.07

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 本連載をここまで読んで、あなたの組織がデジタルの成熟に向けて最初の一歩を踏み出すべきだと納得してもらえたら、幸いである。連載最後の目標は、前に進むための実用的、実践的な指針を提供することだ。ここでは、実験、意図的なコラボレーション、反復などの多くの教訓を引き合いに出して、組織がどのように教訓を学び、実践できるのかを示す。

デジタル成熟度を高める3段階のプロセス

 デジタル成熟度を高め、最終的にデジタル組織に向けて進むプロセスには、3つのステップがある。あなたの目標は、会社でどのように仕事をこなすか、仕事の未来とどのように足並みをそろえるか、それがどのようにデジタルに成熟している組織に成長する土台となるかについて、再考することだ。

1.評価する――あなたの組織がどこをめざす必要があるのか理解するために、まず、デジタル成熟度に関するあなたの組織の位置づけを理解する必要がある。組織のデジタル成熟度は、あなたがそれをどこで経験するかによって、大きく違って見えるかもしれない。企業のデジタル成熟度を評価するということは、組織における成熟度の分布を理解することでもある。

2.可能にする――このステップでは、現在あなたの会社はどの程度デジタルに成熟する必要があるのか判断する。ここで問題となるのは、あなたの会社がいかにして成熟度を高められるかではなく、デジタルに未熟にならないようにするためにどのようなステップをとれるか、ということだ。そして、どの領域でトランスフォーメーションに着手するかの決断は、費用対効果分析によって判断されるべきである。

3.成熟する――このステップでは、対象となる領域をどのように改善し、デジタルの成熟に向けて進むか決定する。アジャイル方法論の短距離走的特徴を展開して、ステップ2で明らかにしたようなデジタル成熟度に向けて、最小限の実践的な一歩を踏み出すべきである。

成熟の次の段階をめざす4段階のプロセス

 私たちの3段階のモデルが企業のデジタル成熟度のプロセスを示すには最適だと、データで証明されているが、実質的に組織を評価する場合には、4つの成熟の段階があると考える。3段階のモデルは、デジタル成熟度にいたる道のりで組織が現在どこにいるのか理解するには役立つ。これに対し、4段階のモデルは、企業がどこへ行くべきか検討するために役立つのである。

 成熟度の基準はテクノロジーの進化とともに変わり続けるのだ。たとえ、ある組織が今日デジタルの成熟を達成したとしても、明日訪れる変化は、間違いなくさらなる変化を求めるだろう。したがって、最初の3段階は、わたしたちの成熟度モデルの段階を示し、4つ目の段階は、企業が将来目指すところを意味するのである。

1.デジタルの取り組みを探る(初期段階)――組織は、組織の既存の機能を自動化するために従来のテクノロジーを利用する。デジタルに少しだけ手を出しているものの、企業にはわずかな変化しか起きていない。

2.デジタル構想を実行する(発展段階)――組織は徐々にデジタルテクノロジーを活用するようになっているが、組織に存在する、従来のビジネスモデル、経営モデル、顧客モデルにまだ大いに重きを置いている。

3.デジタルに成熟するようになる(成熟段階)――組織における仕事の達成方法、および顧客や取引先、サプライヤーとの交流が、いっそう意図的になり、ネットワーク化され、同時にサイロ化が解消されてくるものの、まだ現在のビジネスモデル、経営モデル、顧客モデルに対してさらに高度な変化を生み出すことに、組織は慎重である。

4.デジタル組織になる(野心的な目標)――ビジネスモデル、経営モデル、顧客モデルは、絶え間なく変化するデジタル環境とエコシステムに向けて最適化される。これは従来のビジネス経営や顧客モデルとはまったく異なり、企業がどのように組織され、経営を行い、行動するかの根幹を、デジタルが担っている。デジタルであることは、組織のDNAの一部であり、行動やあり方の代替的アプローチではない。

組織のDNAとデジタルDNA…

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訳者=庭田 よう子

翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。おもな訳書に『目に見えない傷』(みすず書房)、『ウェルス・マネジャー 富裕層の金庫番』(みすず書房)など。

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