「空前の肉ブーム」などといわれる昨今。昔から牛肉はごちそうであったわけですが、近年のブームの特徴は、熟成肉と赤身肉が注目されていることといえます。
熟成肉で人気となった始まりの1つが、2007年にオープンした東京・牛込の「ANTICA OSTERIA CARNEYA」(アンティカ オステリア カルネヤ)。オーナーは浅草の老舗焼肉店の息子で、イタリアで料理修業をした経験があることから「肉系イタリアン」とも呼ばれています。
この店では「さの萬」という静岡県富士宮市の食肉専門店の肉を扱っています。「さの萬」は「日本におけるドライエイジングビーフ(熟成肉)の先駆的存在」として外食アワード2013(外食産業記者会)の食材業者部門を受賞した会社です。
赤身肉の魅力を打ち出してファンを集めている店としては、2011年東京・阿佐ヶ谷にオープンした「SATO ブリアン」があります。焼肉店に勤めていたオーナーがシャトーブリアン(牛ヒレの中心部分、赤身で味がよい)の魅力を前面に打ち出しています。
すでに4年間続いている熟成肉・赤身肉ブーム… 続きを読む
執筆=齋藤 訓之
飲食店経営誌、農業経営誌の記者、編集者を経て独立。株式会社香雪社を設立し同社代表取締役。公益財団法人流通経済研究所客員研究員、亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科非常勤講師、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員を務める。著書に「有機野菜はウソをつく」(SBクリエイティブ)、「食品業界のしくみ」「外食業界のしくみ」(ともにナツメ社)などがある。
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