情報のプロはこう読む!新聞の正しい読み方(第4回)ネットユーザーこそ「紙の新聞」を読もう(下)

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2018.10.25

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 紙の新聞の場合、あるニュースが掲載される面やその位置、見出しの大きさなどを見ることで「その新聞社にとってのニュースの優先順位」がはっきり分かります。

 例えば政治家や官僚、教師の読者が多い朝日新聞で大きく取り上げられるニュースは、そうした層が関心を持っているものです。ビジネスパーソンがよく読む日経新聞のニュースの価値付けを見れば、企業人の世の中の見方が分かってきます。産経新聞なら保守層の考え方を理解する助けになるでしょう。

 一方、ネットはどうでしょう。ぜひ一度、同じ日の新聞紙面、新聞社のサイト、ヤフーニュースなどのキュレーションサイトを同時に見比べてください。ネットでは新聞に比べ、「たくさんクリックが稼げそうなニュース」が目立つ位置を占めていることに気付くでしょう。具体的には芸能、スポーツ、ネット関連のニュースが圧倒的に多いはずです。

 もちろん社会問題や政治経済のニュースも出ています。しかし、ほとんどの場合、報じられるのは「法改正が決まった」「新しい制度が導入される」といった、大きな節目だけです。

 この点、新聞はそうした政策の構想が浮上し、それを巡ってさまざまな集団の駆け引きが起き、利害調整を経て決まるまでの長い過程を報じます。ネットに流してもクリックは稼げませんが、社会のキーパーソンは強い関心を持っているからです。

 よく、大きな制度変更があったときに、「そんなの知らなかった」「マスコミはこれまで報じてなかったじゃないか」という声を聞きます。しかし、その多くは新聞紙面では半年、1年前の構想段階から報じられている内容です。テレビやネットを見ていても分からないだけで、新聞を読めば、けっこう細かい経過が載っているものなのです。

若手ビジネスパーソンが新聞を勧められるわけ…

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執筆=松林 薫

1973年、広島市生まれ。ジャーナリスト。京都大学経済学部、同大学院経済学研究科修了。1999年、日本経済新聞社入社。東京と大阪の経済部で、金融・証券、年金、少子化問題、エネルギー、財界などを担当。経済解説部で「経済教室」や「やさしい経済学」の編集も手がける。2014年に退社。11月に株式会社報道イノベーション研究所を設立。著書に『新聞の正しい読み方』(NTT出版)『迷わず書ける記者式文章術』(慶応義塾大学出版会)。

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