情報のプロはこう読む!新聞の正しい読み方(第18回)「飛ばし記事」でも「誤報」とまでは言えない(下)

スキルアップ

公開日:2019.12.19

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 週刊誌などでは、スクープの続報の中で「本誌の既報通り」と書いていることがあります。「ほらね、我々が報じた通りでしょう」というちょっと誇らしげな気分が伝わってくるような表現です。新聞では「正式発表した」という表現に、これと同じ意味を込めているわけです。

 ただし、自社のスクープであれば全て「正式発表した」と書いているというわけではありません。「発表した」としか書いていなくても、その新聞社のスクープであるケースはあります。

 実は、どんなときに「正式発表」と書くかという基準は、特に決まっていません。一般的には、読者に特ダネであったことを強調したい、スクープの中でも特に重要なケースで使われると考えてください。

 この例からも、読み飛ばしてしまいそうなくらい小さな表現の違いに、意外な意味が隠されていることは分かっていただけたと思います。

 ただ、こうした表現の違いは読者にほとんど知られていません。このことが、報道をめぐるさまざまな誤解を生んでいるように思います。

「飛ばし記事」とは?…

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執筆=松林 薫

1973年、広島市生まれ。ジャーナリスト。京都大学経済学部、同大学院経済学研究科修了。1999年、日本経済新聞社入社。東京と大阪の経済部で、金融・証券、年金、少子化問題、エネルギー、財界などを担当。経済解説部で「経済教室」や「やさしい経済学」の編集も手がける。2014年に退社。11月に株式会社報道イノベーション研究所を設立。著書に『新聞の正しい読み方』(NTT出版)『迷わず書ける記者式文章術』(慶応義塾大学出版会)。

【T】

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