情報のプロはこう読む!新聞の正しい読み方(第8回)紙面にニュースの「格付け」があるって知ってます?(下)

スキルアップ

公開日:2019.02.21

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 これまで、ほとんどの人は「長い記事だから長い見出しが付いているのだろう」と考えていたのではないでしょうか。しかし、前回説明した「格付けのルール」を知って紙面を改めて観察すると、見出しの長さと記事の長さは必ずしも比例していないことが分かるはずです。

 実際、頻繁ではないものの、記事の字数は少ないのに、妙に長い見出しが付いている記事を見かけることがあります。例えば15〜20行くらいしかない記事なのに、見出しが3段立っているのです(見出しは業界用語では「立つ」「立てる」と表現します)。

 当然、かなり縦長のレイアウトになります。記事は1段が5〜6行しかないはずです。事情を知らない人が見ると「たまたまそうなっただけだろう」と思うでしょうが、そうではありません。「このニュースは重要度3だ」という判断がまずあって、それを表すために、わざわざ縦長のレイアウトにして「3段の見出し」を立てているのです。

 こうしたケースは、ニュースが締め切り直前に飛び込んできたときなどに生じます。

 ニュースの第一報が、締め切り30分前にもたらされたとしましょう。編集作業を考えると、記者が原稿を書くのに与えられた時間は、10分もありません。経験が浅い記者であれば、記事を成り立たせる最低限の要素である「5W1H」を詰め込んだ文を15〜20行書くのがやっとでしょう。普通は事件の背景や社会への影響などを書くべきところですが、そんな暇もないわけです。

時間がないときは3段以上の記事だけを読む…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=松林 薫

1973年、広島市生まれ。ジャーナリスト。京都大学経済学部、同大学院経済学研究科修了。1999年、日本経済新聞社入社。東京と大阪の経済部で、金融・証券、年金、少子化問題、エネルギー、財界などを担当。経済解説部で「経済教室」や「やさしい経済学」の編集も手がける。2014年に退社。11月に株式会社報道イノベーション研究所を設立。著書に『新聞の正しい読み方』(NTT出版)『迷わず書ける記者式文章術』(慶応義塾大学出版会)。

【T】

「スキルアップ」人気記事ランキング

連載バックナンバー

情報のプロはこう読む!新聞の正しい読み方

オンラインセミナー動画

人気
  • 新着記事

配信期間

配信期間:2023年9月15日(金)~2024年8月30日(金)

セキュリティ関連

【経済産業省サイバーセキュリティ課登壇】 サイバー攻撃に対して中小企業が取るべき対策とは