人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”(第30回)創業者の思いと後継者の願い

資金・経費

公開日:2021.04.02

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 顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。前回、最後に社長の重要な仕事として、自分の後継者を指名して、育てることを挙げました。古田土氏は遅くても65歳までには後継者を決めて、引き継ぐ必要があると力説します。それでは、その後継者をどのように選び、どのように接すればいいのでしょうか。そして、後継者は先代とどのように付き合っていけばいいのでしょうか。そのポイントを紹介します。

 社長の大切な仕事として挙げた、後継者選びについてもう少し解説しましょう。古田土会計を創業して、2017年で35年目です。この先も事業を継続していくためには、後継者を選び、駅伝のたすきを次の人に渡すようにバトンタッチをしなければなりません。

 私は2017年1月11日に発表した経営計画書で、2018年4月から飯島彰仁常務を社長にすることと、その他役員陣を全て明記し発表しました。そして、古田土会計は、皆さまの手本となるように事業承継を実行しました。

 一般的に、創業経営者およびその奥さまは、会社を大きくしようというより、事業を続けるために必死になって働き、土曜日も日曜日もなく、朝早くから、夜遅くまで働き詰めだったと思います。

 子どもの世話もできなく、奥さまにしかられながらも感謝しながら会社経営に没頭して、会社も世間さまに認められる規模になった。こういう中小企業は多いのではないでしょうか。

 創業社長にとって、会社は自分が生んで育てた子どもです。実子よりかわいいかもしれません。その、自分の命と同じくらい大事な会社を譲るのです。創業社長がどんなに寂しい思いをしているか、後継者は分からないといけません。後継者は、会社、または社長の座を譲ったのだから、「これからは黙っていて口出しはしてくれるな」と思っているかもしれません。しかし、これは間違いです。

 創業社長は、人生の全てを賭けた会社を譲るのです。譲られた者が、譲った者を無条件で長く立ててあげなければ、引退の花道を飾れないばかりか、自分が無視されているようで寂しくてしようがないものです。

後継者は先代の気持ちを察し、報・連・相を徹底すべし…

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執筆=古田土 満

法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。

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