ビジネスコミュニケーション手法の改善(第10回)
【オフィス・店舗向け】回線速度は?サポートの手厚さは?業務用フレッツ光の選び方
公開日:2019.07.05
顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。前回は、中小企業がめざすべき自己資本額の目標を紹介しました。今回は、財務面のリスク管理の大切さを解説します。最近は、中小企業においても情報管理のセキュリティリスク対策の必要性が叫ばれています。しかし、小さな会社が、最優先で取り組むべきリスク管理の対象は財務です。
前回、小さな会社の経営における手元資金の重要性を解説しました。さらに究極のリスク管理の意味でも、手元資金があることが大切になります。
最近、一般的にリスク管理というと、個人情報の漏えいなど情報セキュリティの管理のことがいわれています。しかし、我々中小企業にとっての一番のリスク管理は財務体質であると確信しています。
中小企業は潰れないことが大事です。投資をする基準は、この投資に失敗しても潰れないかどうかです。情報の管理が不十分で、またセキュリティが不十分で事故が起きたら会社は損害を被るわけですが、普通は潰れません。しかし、もし、東日本大震災クラスの大地震があっても、我々の会社は潰れないと自信を持って言える経営者がどのくらいいるでしょうか。
イメージしてください。商品は全て売れない。建物は全壊しました。取引先は営業不能に陥り、売掛金の回収ができません。手形の不渡りも起きてきます。こんな状態でも、社員を守ることができるだけの蓄積が会社にあるでしょうか?
当然ですが、払うべき買掛金、手形は支払わなければなりません。そうしないと、仕入れ先が倒産してしまいます。そこの社員と家族をも不幸にします。ただ、銀行の借入金の返済は、猶予してくれるでしょう。
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執筆=古田土 満
法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。
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人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”