オフィスあるある4コマ(第11回)
チャットも会議も電話もマルチタスクを1台で
2021.07.16
3月、北杜市(山梨県)の土地の売買契約をする日。私たちはやや緊張して約束の場所へ向かった。2人とも今までに経験がないほどの大きな買い物だし、「難航した物件選び」(第2回)で触れたように、またもや契約直前でダメになったらどうしようという不安があった。売り主はこの土地の近くで育ったという4姉妹。落ち着いた雰囲気で80代と思われる長女、そしてその下は少し年の離れた妹たちが3人いる。親から受け継いで、4人に所有権があるとのことで、姉妹たちが契約の場に集まった。
それぞれ離れた所で暮らしている4姉妹は久しぶりに顔を合わせるらしく、まるでお盆かお正月に親戚が集まったようなにぎやかさで、私たちの緊張をなごませてくれた。土地を手放すというのはどのような心境なのだろう。さみしさはあるのかなと、売り主の気持ちを想像してみたけれど、姉妹たちは案外あっさりしていて、「スッキリ売れてよかった」というような、明るい表情で迎えてくれたことにも気持ちが軽くなった。
植林の切り株跡が残る北杜の土地。周囲にはいろいろな木が植えられている
4姉妹それぞれが、違う話題を同時にしゃべるので内容がよく聞き取れなかったのだが、あの土地は、昔は桑畑として、その後に半分は針葉樹を植林、もう半分は野菜などの畑として使われてきたという。今は植林も伐採され、畑も使われず、野原になっている。
土地の北端には梅と柿の木が植えられ、西側にシンボルツリーとも言えるゴヨウマツの大木が立っている。それについて尋ねると、次女が「あの梅の木は紅梅で、花はきれいだし、中粒で漬けるのにちょうどいい実がなるの。柿は渋柿だけれど、手入れをすれば大きな実がなると思うわよ」と教えてくれて、長女は「ゴヨウマツを植えたのは、50年以上前でしょうね。ほかにもいろいろな木や花が植わっているから、かわいがってあげて」と話してくれた。もちろん、大切にしていこうと思っている。
無事に契約が済み、晴れて土地が私たちのものとなった。改めてその野原に立って周りを見回してみても、まだここが自分たちの土地だという実感は湧いてこない。でも、畑はこの辺りに作って、家はこの辺りかな、などと考えるとたまらなくワクワクしてくる。
執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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