急務!法対応(第13回)
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公開日:2019.12.10
ゴルフをプレーしていると、ミスをするたびに烈火のごとく怒るゴルファーを見かけます。「ミスは誰でもするやろ。ミスしたからってそんなに怒らんでも……」と思いますが、ゴルフでもビジネスでも怒りっぽい人はいるものです。
前回、今年からの新ルールは、悪意のないうっかりミスには寛容になったとお伝えしました。従って、これからのゴルフプレーはこれまで以上に心にゆとりを持つことが必要とされるでしょう。心にゆとりを持つ大切なポイントは、怒りをうまくコントロールすることです。今回は、ビジネスにも役立つスキル「アンガーマネジメント」についてゴルフの面から語ってみたいと思います。
「怒り」は、ゴルフにどのような影響を与えるでしょうか?
・スイングが速くなる(故にミスしやすくなる)
・力が入りやすくなる(故にミスしやすくなる)
・心がノンフローになり、パフォーマンスが下がる
・場の雰囲気が悪くなる
・楽しくない
……など、マイナスの影響ばかりが頭に浮かびます。
しかし、怒りに良い影響がないわけではありません。人は怒ると、「ノルアドレナリン」と「アドレナリン」という2つのホルモンが分泌されるそうです。ノルアドレナリンは意欲や集中力を高めてくれる神経伝達物質です。ただし、過剰に分泌されると怒りの感情を高めてしまうホルモンだと知られています。アドレナリンは、筋肉と心臓の働きを高めて身体能力を向上させるホルモンです。このホルモンが分泌されると、心拍数が増え、血圧が上がり、血流量が増します。よって怒りは、意欲や集中力を高め、身体パフォーマンスを向上させる面があるといえます。
ゴルフのプレー中のように、冷静な判断が求められるシーンや集中力を発揮しなければならない状況では脳をフルに働かせる必要があります。ですからある程度の興奮状態は問題ありませんが、その限度を過ぎれば脳の働きを低下させてしまいます。つまり、怒り過ぎはホルモンの過剰分泌状態、負荷がかかり過ぎている状態ともいえます。
レスリングやボクシングなどの格闘技系スポーツに限らず、あらゆるスポーツで「ゾーンに入る」といった表現をしますが、ゾーンに入った状態は、まさにこのホルモン分泌のピークを持続させている状態といってもいいでしょう。いずれのスポーツも怒りに感情を任せてしまえば、冷静さに欠き、必要な判断が下せなくなり、動くはずの体は硬直し、望むべきパフォーマンスはかなわなくなるでしょう。それはゴルフも同じで、怒りが態度に表れるほど怒ってしまうことは、パフォーマンスにマイナスの影響を及ぼすことを改めて肝に銘じてください。
ゴルフやビジネスで、怒りはマイナスに働くことが分かっていても、まったく怒りのない人はいませんし、好き好んで怒る人もいません。怒るからには、それ相応の理由があるはずです。
あなたはゴルフにおいて、どんなときに怒りが芽生えますか?
・ミスショットしたとき
・前の組のプレー進行が遅いとき
・同伴競技者のマナーが悪いとき
・ナイスショットのはずなのにボールが見つからないとき
……など、みなさんもこのようなシーンで怒りを感じた経験が少なくないと思います。
なぜ、このようなシーンで怒りの感情が生じるのでしょうか。その理由は、「理想と現実とのギャップ」にあります。自分はナイスショットが打ちたい、という理想(願望)に対し、ミスショットしてしまったという現実が、怒りを生み出す源泉と考えられます。プレーの進行が遅かったり、同伴者のマナーが悪かったりしたときに怒りを感じたりイライラしてしまうのも、もっとサクサクプレーすべきだという理想(要望)や、マナー良くすべきだという理想(欲求)が根底にあり、それが裏切られたという現実が怒りの正体です。
ビジネスシーンで自分に対して、相手に対しても「理想と現実とのギャップ」から怒りの感情を覚えたことはありませんか。感情のまま振る舞ってよいことは1つもありません。上司と部下の関係なら、それをパワハラと訴えられるリスクもあるでしょう。ゴルフでもビジネスでも、こうした怒りはマイナスに働くばかりです。それを防ぐのが、怒りを軽減させたり、できれば完全に消去したりするスキルである「アンガーマネジメント」です。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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