ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」(第84回)屋外型ゴルフ練習場の新しい楽しみ方

スポーツ

公開日:2022.07.22

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 街中のゴルフ練習場が、近年活況のようです。経済産業省が毎月発表している「特定サービス産業動態統計調査」によると、2021年におけるゴルフ練習場の売上高約368.4億円、利用者数約2506万人で、いずれも新型コロナウイルス流行前の2019年と比較すると20%以上も増加しています。2022年1月~3月の前年同期比も堅調に上向いています。この調査はマーケットを形成する売上高上位の企業または事業所を抽出した結果ですが、ゴルフ練習場の市場全体が似たような傾向にあると思います。

 ゴルフ練習場は、ゴルファーにとってはなくてはならない存在です。特にビギナーは、まず練習場で基本的な打ち方を学んでからコースに出ますから、上記のように利用者数が増加している傾向は、ゴルフ業界にとっては明るい兆しといえるでしょう。そこで今回は、屋外型ゴルフ練習場の最新動向についてお伝えしたいと思います。これを知れば「ゴルフ練習場」を目的に出掛けたくなるような、驚くべき“進化”がそこにはありました。

屋外型ゴルフ練習場を進化させる「トップトレーサー・レンジ」

 公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟が発行する会報誌「JGRA NEWS/No.48」(2021年3月号)によると、国内初のゴルフ練習場は、1929年開場の「霞ヶ関カンツリー倶楽部」内に併設された練習場のようです。それから90年以上がたちますが、屋外型ゴルフ練習場の設備として1970年代にオートティーアップ機が登場したものの、それ以降、ゴルファーに利点が生まれる目新しい技術革新のない状態が続きました。

 そんな中で近年登場したのが、最新のIT技術を駆使したシステム「トップトレーサー・レンジ」です。株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)が国内で販売するこのシステムは、屋上に設置されたカメラが打席から放たれたボールを追跡、弾道を3次元的に計測しデータ化するもので、米国の「TOP GOLF」の技術を日本のゴルフ練習場向けにアレンジしたそうです。「トップトレーサー・レンジ」は徐々に普及しつつあり、2022年7月1日現在、全国で69施設に導入されています。

 「トップトレーサー・レンジ」は全部で10のモードで活用できます。基本的なのが、ショットごとに飛距離やボール速度、打ち出し角度や弾道の高さ、左右の曲がり幅などのデータを確認する「フリー計測」です。また、クラブの番手ごとに平均値や最高飛距離などの履歴が確認できる「クラブ別計測」も便利です。

 実在する世界の有名コースをバーチャルでラウンドできる「バーチャルゴルフ」、練習場に設置されている実際のピンを狙い、ダーツのようにポイントを競い合う「ポイントゲーム」といったゲーム性の高い楽しみ方もできます。スマートフォンに専用アプリをダウンロードすれば、練習記録を残し、いつでもそれを確認できます。また、アプリで連携すればランキングが分かり、他のユーザーとゲームを競い合うこともできるそうです。

屋外ゴルフ練習場に設置されたカメラが打球を追跡する(撮影場所:梅里カントリークラブ)

打席横に設置されたモニターで計測結果を確認できる(撮影場所:梅里カントリークラブ)

 

“コースのための練習場”からの脱却…

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執筆=小森 剛ゴルフハウス湘南

有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。

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