ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」(第49回)ピンを抜く?挿したまま?パッティングに見る協調性

スポーツ

2019.08.13

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 グリーン上でピンをカップに立てたままカップインできるようになったことをご存じですか。これは2019年1月1日から適用されたルール改正の中でも最も目立って変わったことの1つです。目的は「プレー時間の短縮(Play fast)」。つまり、ピンを抜きに行く時間を節約するためのルール改正です。

 けれど、こんな疑問が芽生えます。

 「同じ組で、最初にパッティングをする人がピンを抜いたものの、2番目の人がピンを挿してプレーをし、次の3番目の人が抜き、最後の人がまたピンを挿すというようなケースは、かえって時間がかかり、プレーファーストのためのルール改正が意味のないものにならないか?」という疑問です。

 今回のルール改正があまりに大きな変更であったため、私が主管するゴルフスクールでも、お客さまを対象に新ルールの説明会を数回開催してきました。そこで最も多く質問を受けたのが、今回のこの質問です。実際のプレーをイメージしてみて、みなさんならどう答えられますか。

どんなときにピンは挿したままにするか?

 2018年までは、グリーン上でパッティングする際、カップに挿してあるピンに関して「あらかじめ抜いておく」、あるいは「カップの位置が分かりやすいように誰かに持ってもらい、カップインの前に抜いてもらう」のいずれかしか選択肢がありませんでした。つまり「カップインの際には抜いておく」ことしかできなかったのです。それに対して今年からは選択肢に「ピンを挿したままにしておく」が加わり、好きなやり方でプレーすることができるようになりました。ではプレーヤーは、どんなときにピンを抜き、どんなときに挿した方が有利なのかを考えてみましょう。

 まず考えられるケースが、ボールを強く打ち過ぎピンに当たってはじかれるリスクを避けたいとき、ピンを抜くことを選択するでしょう。逆に下りのパットなどで、誤って強く打ち過ぎてしまっても、ピンに当たって止まってくれることを期待するときは、ピンを挿したままパッティングすることを選択すべきでしょう。

 また、ロングパットでカップの位置が見えづらい場合もピンを挿したままにすることが考えられます。ただし、遠くてカップが見えづらくても、ピンにはじかれるのを避けたいときには、従来のように誰かにピンを持って付き添ってもらい、カップイン前に抜いてもらうことを宣言してからストロークするかもしれません。

 このように、ピンは抜いた方がよいか、挿したままがよいかの判断は人それぞれです。そして、それが新ルールでは自由に選択できるようになったのです。

 ここで覚えておいていただきたいのは、その選択は、パターでボールを打つ前に決定し、打ってから変えることはできないということです。例えば、ピンを挿したままプレーすると決めた(ストローク後にピンを抜いてもらうことを宣言しなかった)プレーヤーがストロークした後、ボールがカップに向かって動いているとします。そこで、そのプレーヤーのキャディーさんがピンを抜いてしまったら、プレーヤーは2罰打を受けます。

 また、キャディーさんではなく同伴競技者がピンを抜いたら、その抜いたプレーヤーが2罰打となります。逆にピンを抜いてストロークした後、ボールが動いている最中にピンを挿し直した場合、そのピンにボールが当たってしまうと、ボールの方向を故意に変えたと見なされ、ピンを挿し直した同伴競技者は2罰打となるので注意が必要です。ボールがピンに当たらなければ問題ありません。

時短のために必要な「気配り」と「速やかな意思疎通」…

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執筆=小森 剛ゴルフハウス湘南

有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。

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