MIT×デロイトに学ぶ DX経営戦略(第1回)DXという名の破壊

経営全般 デジタル化

2021.07.07

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 20年近く前に始まったテクノロジーの第1波で、新聞産業が、レコード音楽産業が、写真フィルム産業が破壊されたのを、あなたはその目で目撃したかもしれない。現在、ホテルやタクシー業界、小売業界でも同様の破壊が進行中であることを、あなたはおそらくご存じだろう。ウーバーやエアビーアンドビー、万能の巨人アマゾンなどの企業により、デジタルの竜巻がビジネス環境を作り変えている。

 また、アナリティクスやデータサイエンスが花盛りとなり、人工知能(AI)、ブロックチェーン、仮想現実(VR、バーチャルリアリティー)、拡張現実(AR、オーグメンテッドリアリティー)、自動運転車などのその他テクノロジーが出現しているように、デジタルディスラプションが決して終わりを迎えていないこともご存じのはずだ。

 しかしながら、デジタルディスラプションが起きていると知っていることと、それについて何らかの行動を起こしていることとは、まったく別の問題だ。こうした破壊に対して、どの組織にも十分に練られた戦略とアクションプランがあるのではと、多くの人が思うかもしれない。ところが、ちょうどハリケーンやサイクロンの被害に遭いやすい地域の住人が、実際に嵐に襲われると不意を突かれたかに見えるように、現実はまったく異なる。

 わたしたち(『MITスローンマネジメント』誌とデロイト)は調査で、所属業界で生じる可能性が高いデジタルディスラプションに対して、自分の企業が適切な準備をしているかどうか質問した(図1-1)。

 回答者の44%は十分な準備をしている、31%は十分な準備をしていない、25%が否定も肯定もしなかった。デジタルディスラプションが業界に影響を与えると回答した87%という数値と、自分たちの企業は十分な準備をしていると答えた44%の数値の差は、一言で言うと衝撃的である。誰もが(もしくは、ほとんど誰もが)デジタルディスラプションが起きていることを知っている。それなのに、自分たちの企業が有効な対策を整えていると答えた人は、半数にも満たなかった。

「敵に出合った。それは自分たち自身だった」…

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訳者=庭田 よう子

翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。おもな訳書に『目に見えない傷』(みすず書房)、『ウェルス・マネジャー 富裕層の金庫番』(みすず書房)など。

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