中小企業のトレンド(第28回)中小企業にもチャンス上水や廃食油生かし電力事業へ

IoT・インフラ

2017.10.19

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 小規模水力、廃食油といった未利用のエネルギーから電力をつくる事業に注目が集まっている。ダイキン工業やヤンマーなどが、既存事業で培った技術の活用とビジネスモデルの工夫で市場を開拓している。

 小水力発電、バイオ燃料など、かつて注目を浴びた再生可能エネルギーに対し、企業が熱い視線を送っている。コスト削減やビジネスモデルの工夫によって、再エネビジネスに再び息が吹き込まれ始めた。中小企業も、こうした動きを活用すれば、電力事業分野にビジネスチャンスを見いだすことができるかもしれない。

空調の技術を転用

 空調大手のダイキン工業は小水力発電事業に本格的に参入する。2017年6月に、発電事業を手掛ける新会社DK-Power(ディーケーパワー、大阪府吹田市)を設立した。

 DK-Powerの松浦哲哉社長は「空調が普及すればするほど電力ピークに影響する。空調の開発で培った技術を省エネだけでなく創エネにも展開する」と話す。

 ユニークなのは、そのビジネスモデルである。ダイキン工業の技術を投入した小水力発電システムを、自治体が保有する上水道施設などに設置して発電する。発電した電力を、固定価格買い取り制度(FIT)に基づいて電力会社に売る。DK-Powerが発電設備の設置や運用、保守、売電を担うというものだ。

DK-Powerが手掛ける小水力発電事業の仕組み

 DK-Powerは、発電設備を設置する場所の賃料や、発電に利用する水の使用量を自治体に支払う仕組みである。自治体は費用を負担せずに収入を得られる上、地域の再エネを活用した「地産地消」による環境配慮をアピールできる。

 ダイキン工業は事業化に先立って、2014年から富山県南砺市や福島県相馬市、兵庫県神戸市などに小水力発電システムを導入して実証実験を重ねてきた。他の自治体も関心を寄せており、問い合わせが引きも切らないという。

 出力100kW以下の小水力発電事業はこれまで、発電設備の導入コストが高く採算が取りづらいことから参入する事業者が限られ、なかなか広がらなかった。

 小水力発電は、水の流量や落差から得られるエネルギーを利用して水車を回転させて発電する仕組みである。河川や農業用水、上下水道、工場内の排水施設など、場所によって流量や落差が異なるため、発電設備をオーダーメードで造るケースが珍しくなく、コストアップにつながっていた。

小水力発電事業を展開するDK-Powerの松浦哲哉社長。ダイキン工業が開発した小水力発電設備は一般的な設備と比べて設置面積が約半分と小さい

 こうした課題に対しDK-Powerは、空調で培った技術を生かして発電設備のコストを抑えている。例えば、インバーターで水車の回転を最適に制御し、発電効率を高めるといった方法だ。インバーターを使わない場合、流量を調節するための機構が必要になり、水車のコストがかさむ。インバーターは空調で大量に使っているので安価に調達できることもコスト削減にも寄与している。

 ダイキン工業によると、浄水場や配水池など、水力発電に適した池の数は国内に約2万7000カ所あるという。ここでの発電ポテンシャルは、原子力発電所4分の1基分に相当する27万kWに達する。

 2020年度末までに、累計1万2000kWの発電設備を導入し、年間50億円の売り上げをめざす。年間発電量は、一般家庭約2万3300軒分に相当する8400万kWhに達する。これによるCO2削減効果は年間5万tと試算する。

自動車燃料から発電燃料に…

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