中小企業のトレンド(第9回)“ブラック社員”に狙われる残業代の未払い

時事潮流

2016.03.09

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 社員や元社員から、残業代を主とする未払い賃金の請求を受ける会社が増えている。会社側にある程度の落ち度がある例が大半だが、中には法外な請求をしてくるケースもある。労働者の権利意識の高揚やネットによる情報の広がりに加え、弁護士の参入が請求増加の背景にある。

10億円近い支払い事例も発生

 「〇〇会社代表取締役××××殿」。こんな書き出しで始まる文書が、突然ある学習塾にファクスで送りつけられてきた。そのタイトルは、「団体交渉申し入れ書」となっていた。

 これこそ1000万円もの支出を余儀なくされる未払い残業代請求の始まりだった。あるアルバイト講師が、1人でも加入できる合同労働組合に入り、未払い残業代の支払いを求めて団体交渉を申し込んできたのだ。

 この塾では、授業1コマ当たりの給与1600円のほか、20分相当の残業代も支給してきた。しかし、授業の準備や残務処理、さらには報告書の作成などによる残業時間は、20分では到底収まらないとして、この講師は未払い残業代の支払いを求めてきたのだ。労働基準法は賃金などの時効を2年と定めているが、時効にかからない残業代の総額は数十万円にのぼった。

 もっとも講師側は、実際の残業時間について確たる証拠を持っていたわけではなかった。しかし、トラブルが長引けば他の講師のモチベーション低下を招くなど、経営に悪影響が及びかねない。そこで、塾の社長は団体交渉に応じ、請求をのむ決断をした。団体交渉を申し入れた従業員は1人だが、結局約400人の講師全員に対して未払い残業代を支払うことになり、1000万円もの手痛い出費になった。

3倍の請求をする例も…

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