「事業承継」社長の英断と引き際(第24回)

私情を捨て会社の未来のために後継者を選ぶ(前編)

2021.01.27

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東邦レオ(屋上・壁面緑化などの都市緑化事業)

 事業承継を果たした経営者を紹介する連載の第24回・第25回は、東邦レオ(大阪市)の橘俊夫会長の話を紹介する。同社は1965年に橘俊夫会長の父・泰治(やすはる)氏が創業し、その後、橘会長が2代目社長としてバトンをつないだ。2016年に現社長の吉川稔氏に事業を承継し、現在は会長として同社の成長を支える。

橘俊夫(たちばな・としお)
1950年、愛媛県生まれ。73年に甲南大学を卒業後、日本交通公社(現JTB)に入社。74年、父の泰治氏が創業した東邦パーライト(現東邦レオ)に入社し、90年から2016年まで社長を務める。16年に吉川稔氏に事業を承継し、会長となる

 創業者である泰治氏は、建築資材を扱う商社に勤務していた時代に、「黒曜石パーライト」という、当時まだ珍しかった断熱吸音材と出合う。泰治氏はこのパーライトの質の良さに注目した。高度経済成長期で、鉄筋コンクリートの建物が次々と建設されていた時代に、このパーライトを素材として、天井材、壁材、床材などの建築資材を製造・販売する会社として仲間たち数人と立ち上げたのが、東邦レオの前身となる共栄パーライト販売だ。

 現在はパーライトを建築資材ではなく、土の中に混ぜる土壌改良剤として活用し、建物の屋上緑化や壁面緑化を手掛けるようになった。さらに空間デザインなど、幅広く“グリーンインフラ”事業を展開している。

 「すでにある市場に参入するのではなく、人々にとって必要なものを想像し、新たな市場や商品を作ってきた。東邦レオは、創業以来そういうDNAを持っている会社です」と橘会長は胸を張る。

自然環境が持つ多様な機能を活用した、東邦レオの「グリーンインフラ」技術。写真は人々でにぎわう横浜市のグランモール公園(みなとみらい21地区)「美術の広場地区」

 

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SID : 00142024

執筆=尾越 まり恵

同志社大学文学部を卒業後、9年間リクルートメディアコミュニケーションズ(現:リクルートコミュニケーションズ)に勤務。2011年に退職、フリーに。現在、日経BP総研・サステナブル経営ラボ委嘱ライター。

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