強い会社の着眼点(第13回)
“電話DX”が会社を強くする
2016.01.07
埼玉種畜牧場・サイボクハム社長 笹崎静雄氏
埼玉県日高市でレストラン、精肉店、ハム・ソーセージ工場などを経営する埼玉種畜牧場・サイボクハム。養豚から食肉加工、販売まで「完全一貫経営」を貫く世界でも希有な存在の畜産企業だ。「食とは人に良いもの」との思いから徹底して品質にこだわりつつ、「食と健康のユートピア」創造を目指す。
──埼玉種畜牧場・サイボクハムは埼玉や山梨に3つの牧場を持つほか、本店ではレストラン、ミートショップ、ハム・ソーセージ工場、日帰り温泉施設などを併設し、年間400万人が訪れる人気です。何が消費者に受けているのだと思いますか。
笹崎:週末には関東一円からお客様が集まります。我々の会社への「共感」「共鳴」があるからだと思います。
当社は1946年に父(龍雄氏)が創業以来、種豚の育種改良を中心とする養豚業を営んできました。おいしい豚肉を求めて品種改良に挑み、自家製の飼料にこだわって、「ゴールデンポーク」「スーパーゴールデンポーク」などの銘柄豚を生み出してきました。その後、肉豚の生産、ハム・ソーセージの製造にも取り組みました。
「食」という字は「人に良い」と書きます。安心、安全で新鮮な人に良いものを提供するため、私たちは良いエサと良い水を与え、愛情をかけて健康な豚を育て、おいしい肉を命懸けで出しているつもりです。加工品は保存料や着色料を使わず、自然の味を大切にしています。こうした方針、取り組みを理解する方が、「あそこの肉を買いたい」「トンカツが食べたい」と何百軒、何千軒ものショップ、レストランを通り越し、はるばる来てくださっているのです。
──養豚業を営んでいたサイボクハムは75年、直売にも乗り出しました。どんな狙いがありましたか。
笹崎:当初は育種改良で誕生した肉を、一般消費者に直接評価してもらいたいという思いがありました。今は店を私たち作り手の思い、考えを伝える場にしたいと考えています。良いものをつくろうとすればコストがかかり、決して安くはなりません。米国産の豚ロース肉は100グラム100円で売っている店もあるのに、うちの肉は250~260円。この価格差を埋めるのが店の役割です。
私たちは汗をかき、愛情を込めて肉を作っている。店では販売員が消費者と接する中でこういう商品の世界をきちんと説明し、お見せする。「世界」を「見せ」る。すなわち、店は「見世」なのです。…
笹崎 静雄(ささざき・しずお)
1948年埼玉県日高市生まれ。71年日本大学農獣医学部を卒業後、埼玉種畜牧場入社。直売所立ち上げなどさまざまな経営改革を進め、2001年社長に就任。
トップインタビュー
2022年7月20日(水)~2023年3月31日(金)
業務効率化関連
新型コロナウイルスの影響もあり、企業におけるテレワークの導入が拡大しました。
一方でまん延防止等重点措置が解除され、今後どのような働き方をすべきかめざすべきか迷われる企業さまも増えているのではないでしょうか。
本セミナーでは日本テレワーク協会の村田瑞枝氏をお招きし、これからのテレワークのトレンドや、コミュニケーションのあり方についてお話いただきます。
2022年6月3日(土)~2023年3月31日(金)
業務効率化関連
DXという言葉はすっかりバズワードとなり、今やすべての企業にとってデジタル化は必須となっています。
しかし、DXの捉え方は会社によってさまざまで、「とりあえずデジタル」のような取り組みをDXと位置付けているケースもございます。
本セミナーでは、まず第一部で企業におけるDXの定義とDX活動を着実に前進させるポイントについてご説明し、第二部ではDX活動の第一歩として「おまかせAI-OCR」を活用したオペレーション改革について、具体例を交えながらご紹介します。