トップインタビュー(第37回)苦境の日本酒市場拡大へ菊正宗が挑む

経営全般

2018.04.26

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菊正宗酒造 代表取締役社長 嘉納治郎右衞門 氏

 菊正宗酒造は瓶詰めの樽酒で圧倒的なシェアを持つ、国内大手の日本酒メーカーである。日本酒離れが叫ばれる中、2018年で創業359年を迎える老舗はどのような戦略で事業展開を考えているのか。17年6月に社長に就任し、同社当主の名跡を引き継いだ第十二代嘉納治郎右衞門氏に話を聞いた。

――1998年には2000を超える日本酒メーカーがありましたが、2015年には約1400まで減っています。国内出荷量も20年間で半減しており、厳しい市場環境の業界といえます。菊正宗酒造はどのような日本酒メーカーなのでしょうか。

嘉納:当社は千数百の日本酒メーカーの中で売上高トップ10に入るメーカーです。売上高はここ数年堅持しております。

 私どもの日本酒の一番大きな特長は、辛口にこだわったメーカーということですね。戦後には甘口ブームもありましたが、私どもは一貫して辛口にこだわってきました。菊正宗の淡麗辛口の酒質を醸し出すのが、「生酛(きもと)造り」です。酒づくりの原点ともいわれる製法で、アルコールをつくる「酒母(しゅぼ:日本酒の醸造のために蒸米・麹・水を用いて優良な酵母を培養したもの)」を昔ながらの手間暇かけた製法でつくり上げます。市販の乳酸を添加せず、天然の乳酸菌の力を借りて生み出されたたくましい酵母は、雑味の少ないキレのある味わいを出します。

 通常の倍以上の時間と手間がかかるため、この製法を行っているメーカーは全国でも数えるほどしかありません。私どもでは江戸時代から続くこの技術を現代でも継承しております。

――国内出荷量が減少傾向にある中、近年は大吟醸などの特定名称酒が人気を集めており、ブームといえるほどになっています。この状況をどのように見ていますか。…

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第十二代 嘉納治郎右衞門 (かのう・じろえもん)

1975年兵庫県生まれ。甲南大学法学部卒。イトーヨーカ堂を経て、2001年菊正宗酒造入社。04年取締役、13年副社長に。16年には、「菊正宗」以来130年ぶりのブランドとなる純米大吟醸酒「百黙」を誕生させた。17年に社長に就任し、菊正宗酒造の当主に受け継がれてきた"名跡"を45年ぶりに襲名。第十二代嘉納治郎右衞門となる。

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