懐かしのヒット商品(第8回)善悪から現実味へ。変遷する「人生ゲーム」の価値観

雑学

2017.06.12

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 1968年にタカラ(現・タカラトミー)から発売された「人生ゲーム」は、現在までに累計1000万個を突破し、“誰でも一度は遊んだことのある”と言っても過言ではないほど、ポピュラーなボードゲームとして知られています。

 人生ゲームはもともと「The Checkered Game of Life」という名で、米国で1860年に誕生しました。つまり、日本に輸入される100年以上も前に生まれたことになります。なぜ19世紀のゲームが、21世紀の今も販売され続けるヒット商品となったのでしょうか。その魅力に迫ります。

もともとは宗教的なゲームだった

 人生ゲームを考案したのは、米国・マサチューセッツ州の印刷業者であるミルトン・ブラッドリー。当時24歳だったブラッドリーは、大統領の肖像画を販売していましたが、売れ行き不振のため、別のビジネスを考案します。そこで彼が思いついたのが、すごろく型のボードゲームでした。

 チェス盤を利用して作られたそのゲームは、「人生のシミュレーションができる」という、これまでのすごろくとは異なるコンセプトを持っていました。単に「早くゴールにたどり着いた人が勝ち」ではなく、盤面の指示に従って人生を疑似体験し、ゲーム中に得られるポイントの数を競うというものです。

 とりわけユニークだったのは、コンセプトの核に「聖書の教え」を据えたことです。すごろくのマス目を「善」と「悪」のマスに分け、善のマスに止まることで、ポイントが加算される仕組みとしました。これはブラッドリーが熱心なクリスチャンだったのが理由とされます。

 この人生ゲームは人々の心をつかみ、当時としては高めの値段設定だったにもかかわらず大ヒットしました。ブラッドリーは自ら会社を立ち上げ、人生ゲームをビジネスの軸とします。

米国発なのに、ゲーム中に「お歳暮」…

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執筆=味志 和彦

佐賀県生まれ。産業技術の研究者を経て雑誌記者など。現在コラムニスト、シナリオライター。

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