「世に伯楽有りて、然る後に千里の馬有り。千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず」(『雑説』)
「うちの会社には人材がいなくてね」。業界の集まりや取引先でこうぼやく経営者や管理職は少なくありません。中には、社内で社員たちを前に公言する社長もいるようです。
そんなトップやリーダーにガツンと一撃を加える名言を、唐代の文人・政治家である韓愈(かんゆ)が残しています。
「世に伯楽有りて、然る後に千里の馬有り。千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず」(『雑説』)
(訳)世の中には伯楽がいてこそ、1日に千里も走る馬が存在する。千里の馬となる素質を持った馬は常に世の中に存在するが、伯楽は常にいるわけではない。
伯楽とは馬を見分ける名人のことです。その伯楽が能力の高い馬を見いだすから1日に千里もの距離を走る名馬が出現する。そうした馬はこの世にいつもいるけれども、名馬を見いだす伯楽は常にいるとは限らないというのです。… 続きを読む
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