偉大な先人に学ぶ日本ビジネス道(第7回)高い視点でインフラの理想を考えた松永安左エ門

IoT・インフラ 雑学

2016.12.16

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 日本の電力は、1951年から東京電力や関西電力といった地域電力会社が当該地域で独占的に供給を行う「9電力体制」が採られてきました(1988年からは、実質的に沖縄電力を含めた10電力体制)。

 それが大きく変わったのが2016年4月です。電力小売りの全面自由化がスタートし大きな話題になりました。9電力体制の成立に大きく寄与したのが「電力の鬼」と呼ばれた松永安左エ門です。9電力体制は、日本的地域独占の象徴のようにいわれて悪者扱いされた部分もありますが、その成立には、インフラのあるべき姿と日本の発展に情熱を注いだ安左エ門の熱い思いがありました。

 安左エ門は1875年、長崎県壱岐の商家に生まれました。福沢諭吉の「学問のすすめ」を読んで感銘を受けていた安左エ門は、14歳の時に慶応義塾に入学。上京に反対する両親を説得するため、4日間食事を抜いたというエピソードが残っています。

 安左エ門は東京で勉学を進めますが、18歳の時、父の死により帰郷。家業を継ぎ、水産物の貿易などに携わりました。その後、弟に家業を譲って20歳で慶応義塾に復学。毎朝5時から福沢諭吉の散歩のお供をするなどして、その教えを吸収していきます。この時代に連載第6回で紹介した小林一三や後に三菱銀行頭取となる加藤武男、福澤諭吉の娘婿の福澤桃介らと出会って、親交を深めます。

 ただ、根が実業の人で、すでに家業の経験もある安左エ門は次第に学問への興味を失っていったようです。それを諭吉に告げると、「卒業には大して意味はない。そういう気持ちなら、社会に出て働くがいい」と言われ退学します。

 働き始めたものの、気性の激しい安左エ門に会社勤めは合いませんでした。諭吉の紹介で入った三井呉服店をすぐに退社。続いて日本銀行に入行しますが、こちらも1年たたずに辞めてしまいます。結局、慶応義塾時代に知り合った福澤桃介と共に、石炭を扱う福松商会を神戸で設立し、実業家としての第一歩を踏み出すことになりました。

 北海道炭や筑豊炭を扱う福松商会は順調に売り上げを伸ばし、石炭取扱量は財閥と肩を並べるほどになりますが、投機的に炭鉱を買い取ったことが裏目に出て事業から撤退する結果となります。またこの頃、大阪にあった自宅が火事で全焼。安左エ門は、ここから2年ほど隠居生活を送ります。

電力分野の実力者となり、理想を追求する…

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