偉大な先人に学ぶ日本ビジネス道(第22回)転職人生を脱却、段ボールの父になった井上貞治郎

雑学

2018.03.22

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 近年、ネット通販の利用が急激に増えています。その配送に欠かせないのが段ボール製の箱。板紙を多層構造にした「段ボール」、そして段ボールを使った「段ボール箱」は、包装や運搬のため、私たちの生活になくてはならないものになっています。

 「日本の段ボールの父」と呼ばれているのが、包装材の総合メーカー・レンゴーの創業者、井上貞治郎です。

 この連載ではいろいろな経営者を取り上げてきましたが、貞治郎は少し変わった経歴を持っています。大きな業績を上げた経営者は、自分の選んだ道を突き詰めていくケースが多いように思われますが、貞治郎はなんと30回以上も職を変えたのです。

 貞治郎は、1881年、兵庫県姫路市郊外の農家で生まれました。高等小学校を卒業すると、「商売を覚えて、偉いもんになったる」と神戸の商家へ奉公に出ます。しかし、商売を覚えるために奉公したはずが、子守ばかりをさせられる日々。貞治郎少年は、嫌気がさして飛び出してしまいました。ここから、長い長い転職歴が始まります。

 次に働いたのは洋紙店。しかし、貞治郎少年はこらえ性がありません。ここも「店に活気がないので、張り合いが抜ける。第一、ボール板紙の出し入れは肩が痛くてとてもつらい」とすぐに辞めてしまいました。ただ、ここで洋紙を扱った経験は後に段ボール作りで役立つことになります。

 その後も、クビになったり、飛び出したりで、回漕店(船問屋)、活版屋、中華料理店と次々に職を変えていきます。とにかく、勤め始めてから3日と続かないようなことばかり。銭湯、酒場、パン屋、散髪屋、砂糖屋、洋服屋、材木屋、板問屋、石炭屋……と、転職先のリストはまだまだ続きます。

 もともと放浪癖がある貞治郎。場所も神戸から横浜、大阪、京都と転々とし、海を渡って韓国へ。さらには一獲千金を夢見て、金鉱を探しに満州(現・中国東北部)にまで足を伸ばします。しかし、危険を賭して満州に乗り込んでも金鉱は見つかりません、有り金をはたいて香港に渡りますが、香港でも散々な目に遭ってとうとう行き詰まります。

心機一転、地道に働く決意を固める…

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