強い会社の着眼点(第12回)EC活用で売り上げ増狙う。その勘所

人手不足対策 販路拡大

公開日:2022.06.29

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 スマートフォンの普及は、商品の購買行動も大きく変化させている。20年ほど前までならば、消費者として製品やサービスを購入するには店頭に出向くことが当たり前だった。それがパソコンの前でクリックすればさまざまなモノが買えるようになり、気が付けば手元のスマホからいつでもどこでも購買が可能になった。購買機会と手段が多様化しているのだ。

 こうした状況は、商品やサービスを提供する側から見れば、販売チャネルを複線化できることを意味する。コロナ禍で店頭への来店客が激減した中でも、ネット通販に力を入れて従来以上の売り上げを確保したという店舗のトピックも聞くほどだ。これまで手掛けていなかったネット通販などの電子商取引(EC)を活用することで、売り上げ増に期待できる可能性は高い。

右肩上がりの「ECサイト」、物販系は特に市場規模拡大

 国内の消費者向けのECは、右肩上がりで市場規模が拡大している。経済産業省の「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」では、2020年の消費者向けECの規模を19兆2779億円と報告している。前年の19兆3609億円からは微減だが、わずか7年前の2013年には11兆1660億円だったことを考えると、市場規模は大幅に拡大している。

 2020年に微減となったのは、コロナ禍の影響で旅行サービスを含むサービス分野のEC市場が大幅に減少したためと考えられる。物販系分野のECは、巣ごもり消費の影響もあって前年比21.7%増の12.2兆円へと大幅な増加を見せている。

 物販系ECの内訳を見ると、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆3489億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆2203億円)、「食品、飲料、酒類」(2兆2086億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆1322億円)の各カテゴリーが上位を占め、4カテゴリーで物販系分野の73%に達する。これらの分野を中心に、ECサイトの拡充が消費者の購買行動にフィットする動きになるだろう。

【急成長する電子商取引(EC)市場】

 

商品梱包や受発注などの実労働も増加、人手確保の方法も要検討…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=岩元 直久

【MT】

あわせて読みたい記事

  • “新常態”に対応せよ(第8回)

    店じまい・新規オープン…小規模事業者の生き残り

    デジタル化 災害への備え

    2022.02.22

  • 注目を集める地方発のベンチャー(第23回)

    鮮魚に加え青果も肉も届ける飲食店向けEC

    地域活性化

    2018.02.19

「人手不足対策」人気記事ランキング

連載バックナンバー

オンラインセミナー動画

人気
  • 新着記事

配信期間

配信期間:2023年9月15日(金)~2024年8月30日(金)

セキュリティ関連

【経済産業省サイバーセキュリティ課登壇】 サイバー攻撃に対して中小企業が取るべき対策とは