ビジネスコミュニケーション手法の改善(第10回)
【オフィス・店舗向け】回線速度は?サポートの手厚さは?業務用フレッツ光の選び方
公開日:2022.12.16
11月に入ると八ヶ岳山麓に降る雨は、山では雪になり、秋というよりも冬の雰囲気が濃くなってくる。晴れた日は放射冷却によって冷え込んで、朝は外気温が1桁まで下がり、室内でも20℃をきって、本格的にまきストーブの出番となる。しかし、そんな季節になってまきがないことに焦り始めてきた。正確にいうと、木はあるにはあるのだが原木丸太のままで、まきとして使える状態になっていない。
春、ここに引っ越してきてから丸太を調達した話は第10回で書いた通りだ。それ以来、「まき割りをしなければ」という思いは常に頭にはあったものの、草刈りやら畑の手入れやら、物置小屋づくりやらいろいろと優先することがあって、後回しになっていた。まあ、簡単に言うとサボっていたのだ。さあ、どうしよう……。
そんなある日、東京に住む山仲間の1人に「畑にサツマイモを植え過ぎちゃって、掘るのが大変」と愚痴ったら、「芋掘りをやりたい!」とすぐに返事が返ってきた。その友だちは山好きではあるものの、都会的な印象だったので畑作業をやりたいと言うのが意外だった。でも話を聞くと、ここに引っ越す前の私と同じように家庭菜園が憧れで、畑を借りて無農薬野菜を育ててみたいと思っていたそうだ。友人との新たな共通点を知り、うれしくなった私は「いつでもいいから手伝って」と返信した。
と、そこで思いついた。山仲間に声をかけたら、田舎暮らし体験としてウチのまき割りも喜んでやってくれるかもしれない。以前は、芋掘りをやりたいと言ってくれたその友人を含めて10人ほどの山仲間と、時々集まって一緒に山に登ったり、登山関係のイベントで顔を合わせたりしてワイワイやっていた。でもコロナ禍になってすぐに息子のガクが生まれ、集まるのに気が引けたり、日常のあれやこれやで余裕をなくしたりしたこともあって、すっかりご無沙汰している。
「芋掘り隊&まき割り隊募集」と冗談半分に山仲間に連絡すると、急な呼びかけにもかかわらず、5人が集まってくれることになった。みんなも私同様、会いたくてウズウズしていたらしい。
当日は快晴、無風で暖かく、絶好の作業日和。家からはきれいに八ヶ岳も見えて「いいところだね」と喜んでくれた。みんな都会に住み、畑もまき割りも、ほとんど経験はないと言っていたけれど、長靴や軍手、つなぎなどを用意していて、着替えれば一瞬で作業人に変身。なんと「知人から借りてきた」というおのやチェーンソーまで持参してくれた。こういうとき、山の友人は本当に頼りになる。
会うのは3年ぶりの人もいたが、みんな変わらずに元気いっぱいだ。あいさつもそこそこに「さあ、何からやる?」と意気込み満々。早速、芋掘り隊とまき割り隊に分かれて、それぞれ作業にとりかかる。
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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ココロ踊る!山麓生活のススメ