偉大な先人に学ぶ日本ビジネス道(第4回)三井の大番頭三野村利左衛門は学歴なし、中途採用

雇用・研修 雑学

2016.09.23

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 三井グループは、三菱グループ、住友グループと並ぶ日本の企業グループです。江戸時代の慶長年間(1596〜1615)に三井高俊が伊勢国松坂(現・三重県松坂市)に開いた質屋兼酒屋を起源とし、明治以降、銀行や商社を中心とした一大企業グループへと成長します。

 三井グループでは多くの有能な人材が活躍しましたが、その代表的な人物が三野村利左衛門(1821〜1877)です。生年すら明らかではなく、正式な学問はまったく受けていない身で、幕末から明治の初めにかけて三井の大番頭として活躍。三井銀行の設立に携わるなど、近代三井の発展に大きく貢献しました。

 福沢諭吉は「無学で偉い人は二宮金次郎と三野村利左衛門」と門弟に語ったといいます。三菱をつくった岩崎弥太郎は利左衛門を終生ライバル視していたともいわれています。明治の傑物に評価される三野村利左衛門とは、いったいどんな人物だったのでしょうか。

天保小判の買い占めで巨額の利を得る

 前述のように利左衛門の生年に確かな資料はありません。本人が語ったという記録では、1821年、出羽国鶴岡(現・山形県鶴岡市)に生まれたと記されています。浪人の父と全国を流浪した末、江戸深川の干鰯問屋に奉公。勤勉な働きぶりが目に留まり、旗本・小栗家の中間(使用人)として採用されます。ここで小栗家と関係ができたことが、利左衛門の運命を大きく変えることになります。

 その後、菜種油や砂糖を売っていた紀ノ国屋の婿養子となり、紀ノ国屋利八の名を継ぎました。金平糖を売り歩く行商生活を10年ほど続け、蓄えができると、利八は脇両替という小規模な両替商を始めます。両替商となった利八がある日、旧知の小栗家を訪れると、天保小判の交換比率が変更されるという情報を耳にしました。そこで利八は、直ちに天保小判の買い占めを図り、莫大な利益を得ます。

 そして、付き合いのあった両替店主人のつてを頼り、利八は三井両替店に出入りするようになりました。行商で培ったネットワークで江戸市中の情報に通じ、利にさとい利八は、三井両替店の番頭から「紀ノ利」(紀ノ国屋利八の略)と呼ばれて重宝がられます。

幕府とのコネクションで三井の経営危機を救う…

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