オフィス外で業務を行うモバイルワーク、自宅でも出社と見なす在宅勤務などのテレワーク、リモートワークにパラダイムシフトが訪れた。コロナ禍を受け、出社せずに勤務する状態を、多くの企業で採用せざるを得なかったからだ。在宅勤務に関しては、前年比で導入比率が倍増した。この状況は、緊急事態宣言が解除されたとしても、働き方としてある程度定着するのではないかと予想される。
オフィス以外で働くテレワーク、リモートワークの企業の実態はどうか。経年で行っている調査結果とも比較しながら見てみよう。日経BPコンサルティングのアンケートシステムにて、同社保有の調査モニター1668人を対象に調査を実施した。
モバイルワークの障壁1位「セキュリティ対策」入れ替わる
まずは、どの程度オフィス外で働くモバイルワークが実施されているかを見てみよう。最も多い「自社オフィス以外で働くことはほとんどない」(51.8%)は2019年2月実施時点よりも8.1ポイント減った。一方「時々オフィス以外で働く」(23.6%)は6.4ポイント上昇した。17年から19年にかけて前者が2.6ポイント減、後者が1.4ポイント増だったのを考慮すると、リモートワークが劇的に進んだのが見て取れる(図1)。
【図1 モバイルワークの現状について】
次に、モバイルワークをする際に考えられる障壁について見てみたい。これまで最も回答率が高かった「情報漏えいなどのセキュリティ対策」が、今回初めて2位に順位を下げた(20.9%)。代わりに1位となったのが「ネットワーク、通信環境がオフィスで働くのと同等のレベルにない」の25.4%だ。この項目はこれまで17年13.4%、19年13.6%で共に3位だったもので、今回、実際にオフィス以外での勤務が実施される際に実感されたと推測できる。
実際に経験したことにより、順位を大幅に上げたと考えられる項目がもう1つある。それが「IT機器がオフィスで働くのと同等のレベルにない」の18.5%だ。3位となったこの項目の伸びは顕著で、17年の調査時点では12.0%で7位。19年では10.5%で同じく7位だった。(図2)。
【図2 何がモバイルワークの障壁になっているのか】
在宅勤務の導入は19年と比べ倍増… 続きを読む
調査・執筆 = 日経BPコンサルティング
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