偉大な先人に学ぶ日本ビジネス道(第23回)コクヨの黒田善太郎から学ぶわずかな前進の大切さ

雑学

2018.04.26

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 ノートやファイルなどの文具、デスクやチェアといったオフィス家具など、ビジネスに欠かせない商品を多数取り扱っているコクヨ。そうした商品を使ったことがない日本のビジネスパーソンは恐らくいないのではないでしょうか。日本を代表するオフィス用品の総合メーカーであるコクヨの創業者が黒田善太郎です。

 善太郎は、「お客さまに満足のいくような品物こそが良品」との精神で製品を改良し、顧客に愛される製品を作り続けました。その改良は他社の製品よりも少しでも使いやすくしたいと、わずかずつの積み重ねでした。ビジネスにおいては、この世にない画期的な製品が注目を浴び、もてはやされることが多いのですが、既存商品のちょっとした改良にも大きなビジネスチャンスがあることを善太郎は教えてくれます。

 黒田善太郎は1879年、富山市でマッチ製造業を営む家に生まれました。幼少の頃に父が他界。小学校卒業後、家を支えるために奉公に出ます。いくつかの奉公先を経て富山から大阪に出た23歳の時に働き始めたのが、和式帳簿の表紙を作る店でした。和式帳簿の中身は、和紙を束ねて糸でとじたシンプルなもの。それだけに表紙が商品としての印象を左右する重要な役割を担っており、表紙を作る店が当時は存在したのです。

 ここで善太郎の「改良精神」が発揮されます。仕事のやり方を覚えると、ハケを改良したり、ノリの塗り方を研究したりして工夫を重ねていきます。他の職人より素早く表紙を作れるようになります。

 1905年に独立し、大阪市に「黒田表紙店」を開業。これがコクヨの創業となりました。ただ、表紙店は問屋から注文を受けて表紙を作り、問屋に納めるのが役割です。意気込んで独立したのはいいものの、表紙の値段は帳簿全体の価格のわずか5%ですから、決して割のいい仕事ではありませんでした。

 そこでまず善太郎が考えたのは、生産量を増やすことでした。ただ、当時、和式帳簿の表紙はすべて手作業で作っていました。和紙を張り合わせて厚みを持たせ、茶わんなどでこすって艶を出して仕上げるという工程を効率化するには限界がありました。

 そんな中で、善太郎が目を付けたのが干し方工程の改善でした。従来は和紙を何枚も重ね貼りした後、日の出ている昼間に乾燥させていました。それに対して善太郎は夜も干せるよう物干し場を改造。それにより生産量を増やしたのです。

後発組として製品の改善に取り組む…

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