システム構築のための調整力向上講座(第28回)心の健康を保つ3つの「C」

コミュニケーション

2018.01.18

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 認知行動療法の権威である大野裕氏は、著書『「うつ」を治す』(PHP研究所)で、「心の健康の3つのC」の大切さについて触れています。3つのCとは「Cognition(認知)」「Control(コントロール感覚)」「Communication(コミュニケーション)」です(図4)。以下で詳しく説明しましょう。

Cognition(認知)

 同じ出来事でも、受け取り方が違えば感じるストレスも違います。つまり、認知というものの見方のフィルターを通して現実を見ています。人は強いストレスにさらされると、このフィルターがうまく機能しなくなる場合があります。これを「認知が歪(ひず)む」といいます。

 例えば、人は強いストレスにさらされると見方が狭まります。普通なら考えられるはずの解決策が思い浮かばなくなってしまいます。

 例としてよく挙げられるのが「劇場の火事」です。劇場で「火事だ」と騒ぎになったときに、引けば開くドアを押すことしかできなくなるのです。何のストレスもない状況であれば、押してドアが開かなければ、引いてみるはずです。しかし、火事のストレスで、引いてみるという選択肢を思い付けないのです。

 プロジェクトでも同じようなことがよく起こります。例えば、納期間近にメンバーから「今日、徹夜していいですか?」といきなり相談があります。事情を聞くと「担当作業がはかどらず、このままだと明日のリリースに載せられそうにない。だから徹夜させてほしい」とのことです。

 リーダーからすれば「確かに明日のリリースに載せる予定だけど、それが載らなかったからといって、クライアントや他の工程への影響は少ない。次のリリースでも問題ないのではないか」と考えます。しかし、担当者本人からすれば、1週間ほど前から「このままでは間に合わない」「急がないといけない」「載せられなかったらまずい」と思い続けているわけですから、既に強いストレスに長い間さらされています。すると「もう徹夜しかない」と、他の選択肢を考えられなくなっているのです。

7パターンに分類できる認識の歪み…

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執筆=芝本 秀徳/プロセスデザインエージェント代表取締役

プロセスコンサルタント、戦略実行ファシリテーター。品質と納期が絶対の世界に身を置き、ソフトウエアベンダーにおいて大手自動車部品メーカー、大手エレクトロニクスメーカーのソフトウエア開発に携わる。現在は「人と組織の実行品質を高める」 ことを主眼に、PMO構築支援、ベンダーマネジメント支援、戦略構築からプロジェクトのモニタリング、実行までを一貫して支援するファシリテーション型コンサルティングを行う。

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