ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2022.03.31
企業が自社サーバーを保守管理する方法として「自社内にサーバーを設置する」方法と、「社外のサーバーを利用する」方法の2つがあります。
社外にあるサーバーは、多くの場合データセンターという施設に設置されています。本記事ではデータセンターとはどういうものか、クラウドとの違い、それぞれを利用した場合のメリット・デメリットについて解説します。
データセンターとは、企業のサーバーやネットワーク機器を収容し、管理する施設のことです。自社内にサーバーを置くスペースが取れず、安定的にシステムを運用させるために必要な回線や電力、空調設備を準備することが難しいケースで利用されます。そのためデータセンターには、安定して電力を供給し、空調を管理する設備が備わっています。
データセンターを利用するメリットをまとめると以下の5つとなります。
メリット1:場所の提供
データセンターの基本的なサービスは、サーバーやネットワーク機器を設置するスペースの提供です。オフィス内にサーバーやネットワーク機器を設置する必要がなくなるため、スペースが有効活用できます。
メリット2:電力の提供
サーバーやネットワーク機器を安定稼働させ続けるためには、電力の安定供給が必要不可欠です。データセンターでは停電や瞬断が発生しても電力を安定供給するために、自家発電装置や無停電電源装置(UPS)などを用意しています。
メリット3:インターネット接続
データセンターでは、複数のサーバーやネットワーク機器をインターネット環境に接続するため、通信事業者の光ファイバーなど多くの通信回線を備えています。複数の通信事業者の通信回線が使えるデータセンターも数多く存在します。
メリット4:空調管理
データセンターには多数のサーバーやネットワーク機器が設置されているため、大量の熱が発生します。またサーバーやネットワーク機器に影響が出ないよう、湿度にも気を使わなければなりません。データセンターでは適切な温度・湿度を保つように、空調設備が整えられています。
メリット5:災害対策
データセンターは、地震や火災などの災害が発生してもサーバーに影響が出ないよう、さまざまな対策を施しています。一例として自然災害の発生頻度が低い地域への立地、免震・耐震構造を採用した建物、火災警報機や消火システム設備などが挙げられます。
以上のようなメリットから、企業はデータセンターを利用すれば、サーバーの保守や管理、災害時への備えまでの負担を総合的に軽減することができます。そのため、サーバーを自社からデータセンターに移行する企業が増えています。
データセンターでサーバーを利用する場合は、大きく「ハウジング」と「ホスティング」という方法が考えられます。
ハウジング
ハウジングは、データセンター内にサーバーやネットワーク機器を置くスペースを借り、自社サーバーを設置する方法です。コロケーションと呼ばれることもあります。サーバーの所有者が自社であるため保守管理のコストがかかりますが、用途に合わせたカスタマイズをできるメリットがあります。社内にサーバー運用の知見・技術がある場合に適した方法といえます。
ホスティング
ホスティングは、データセンターやホスティング事業者からサーバーやネットワーク機器を借りて使う方法です。サーバーをレンタルして利用するので「レンタルサーバー」とも呼ばれています。ハードウエアはデータセンターやホスティング事業者が所有しているため、設備の保守管理は委託することができます。
クラウドにはSaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)といった複数の形態がありますが、ここではIaaSで提供されるクラウドを前提に話を進めます。
データセンターは、社外にサーバーを置くという点において、クラウドと似ています。データセンターは物理的にサーバーを保守管理するのに対して、クラウドはインターネット経由で仮想的にサーバーを利用する点が異なります。
ハウジングでデータセンターを利用する場合、サーバーやネットワーク機器の保守管理を基本的に自社で行う必要がありますが、機器の選定やサーバー構成を自由に選択することができます。クラウドの場合、保守管理はクラウド事業者側で行います。CPUやメモリー、ストレージ容量などは、ある程度カスタマイズが可能です。
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執筆= NTT西日本
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