オフィスあるある4コマ(第11回)
チャットも会議も電話もマルチタスクを1台で
2020.01.14
「グリーン上からカップにピンを立てたままパッティングができる」というルールに変更されて約1年がたちました。ルール改正当初は、従来通り「パッティングのときにピンは抜く」と考えるゴルファーが大多数だったのではないでしょうか。しかし、最近ではプロのトーナメントでもピンを立てたままパッティングするシーンが多く見られるようになりました。一般ゴルファーのラウンドでは、ピンは抜かないケースの方が多いように感じています。
こうしたシーンを見るたび、プレー時間短縮を心掛ける「プレーファスト(PLAY FAST)」という考え方がゴルファーに浸透してきたのだと思います。私も、初心者を対象にしたラウンドレッスンではプレーファストの重要性を伝え、時間短縮につながるプレーの仕方を指導します。それでもプレーが遅くなった場合、移動の際に駆け足を促すようなことも多々あります。
ただ、中には、駆け足がままならない高齢のプレーヤーもいらっしゃいます。高齢者は、筋力や心肺機能が低下、神経系も衰えることから素早く行動することが難しくなります。骨密度も年齢とともに低下するため、万一転んだ場合は骨折のリスクも高くなってしまいます。したがって、高齢プレーヤーがゴルフを楽しむための環境整備もゴルフ界全体で進めなければいけません。また、プレーファストを実現するためにはその前に、高齢プレーヤー当人と同伴者による「譲り合い」「助け合い」の精神が必要になるでしょう。誰もが年を取りますが、ゴルファーならできるだけ長くゴルフに親しんでいたいはず。そこで、今回は「高齢者のゴルフ」について考えてみたいと思います。
前述のように、高齢者は素早く行動することが困難なケースが出てきます。また、思考や判断速度が遅くなったり、視力が衰え、認知速度が低下して、自分が打ったボールを見つける時間も遅くなったりすることもあるでしょう。高齢者は若い人と比べるとラウンドのスピードが遅くなるのも、ある程度は仕方がないことなのです。
しかし、ゴルフルール上は、スロープレー厳禁です。同伴競技者だけでなく、後続組全体に迷惑がかかってしまうからです。ゴルフ規則第3章「プレーについての規則」の規則6に、「プレーヤーは不当に遅れることなく~(途中略)~プレーをしなければならない」と定められていて、ゴルファーはプレーファストに努めなければなりません。この規則に違反した場合は、ストロークプレーでは2打罰、マッチプレーではそのホールの負け、その後さらに同じ違反があった場合は競技失格と厳しい罰則になっています(競技委員による裁量はあります)。
ここで注目するべきは、「プレーヤーは不当に遅れることなく…」と記載されている点でしょう。“不当に”遅れる行為をしたプレーヤーに対して厳しい罰則を与えています。しかし、高齢ゴルファーは決して「不当に」プレーを遅延させているわけではないのです。故に、高齢ゴルファーに配慮したゴルフ環境を整えることが必要で、それは我々ゴルフに携わる者全員の役割だと私は考えています。
私がコースレッスンやコンペを企画する際、高齢の方の参加が見込まれる場合はできるだけカートがフェアウエーに乗り入れられるコースを選定するようにしています。カートでボールの近くまで乗り付けられれば、セルフプレーでもクラブを遠くのカートまで取りに行かずに済み、高齢者にとって優しいからです。
乗用カートを導入しているゴルフ場でも、舗装された、いわゆる「カート路」のみを走行するルールとなっているケースが目立ちます。芝生の上をカートが走行すると、芝生を傷めてしまうという問題があるからですが、最近は芝生を傷めにくい特殊なタイヤを装着したカートも登場しています。特に暑さの厳しい夏場などは、ボールの近くまでカートで移動できれば、高齢者のみならずすべてのゴルファーにとってうれしいでしょう。
フェアウエーへのカート乗り入れの利点はもう一つあります。それは「ゴーアヘッド(go ahead)」(お先にどうぞ)が可能になるという点です。高齢者はどうしてもプレーが遅くなります。故に、時には後続組に「お先にどうぞ」と声をかけ、先にプレーしてもらうよう配慮することも必要です。ゴルフ規則の第1章「エチケット」では、前の組との間隔が空き、後ろの組を待たせてしまう場合は、後続組に先にプレーしてもらうよう声かけしましょうと記載されています。ですから、高齢ゴルファーの組には第一にプレーファスト(早く回れ)を求めるのではなく、ゴーアヘッド(お先にどうぞ)を有効に活用することを勧めるべきではないかと思うのです。
執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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