人生を輝かせる山登りのススメ(第25回)泊まるだけから滞在型へ、山小屋での新しい過ごし方

スポーツ

2017.07.21

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 日本アルプスなどの大きな山系へ行く際に登山者にとって欠かせない施設が山小屋。今年もいよいよ夏の登山シーズンを迎え、山小屋利用での山行(サンコウ)を計画している人も多いことでしょう。今回は、最近の山小屋事情をお伝えするとともに、これからの山小屋の利用法について考えてみましょう。

サービスの充実が進む山小屋

標高3000mに近い場所に建つ穂高岳山荘

 近年の登山ブームで若い世代の利用者が増えたこともあり、今、山小屋は設備・サービスの充実が進んでいます。

 例えば、北アルプスの穂高岳山荘は、標高3000mに近い稜線(りょうせん)にある厳しい立地条件ながら、数年前から他の山小屋に先駆けて、無料で使えるWi-Fiを導入したり、宿泊費をクレジットカードで支払えるサービスを取り入れました。今や、山の中でもスマホを使い、気象情報をチェックすることは欠かせません。

 そんな中、電波のつながりづらい山小屋でWi-Fiが使え、家で待つ家族や友人に気軽に連絡できることにありがたさを感じる人は少なくないでしょう。無線基地局が広がった結果、Wi-Fiのアクセスポイントになる山小屋も年々増えているといいます。

 また、「下界」では当たり前のクレジットカードによる支払いですが、カードが使える山小屋は、まだごく少数です。例えば、家族で山小屋に2泊するとしたら、かなりの金額を持ち歩かなければなりません。さらに、天候の悪化によって、予定より宿泊日数が増えることもよくあること。そんなとき、クレジットカードで支払いができると、助かる人も多いでしょう。

山小屋とは思えないほど快適な赤岳鉱泉のベッド室

 山小屋のメーンスペースである寝室も変わりつつあります。以前は上下2段に分かれた部屋に雑魚寝というのが当たり前のスタイルでしたが、北アルプス唐松岳頂上山荘のように、家族や仲間で使える個室を増やしたり、さらには八ヶ岳の赤岳鉱泉のように、ゆったりと睡眠が取れるようベッド室を備えたりした山小屋も見られるようになりました。

 別の山小屋ですが、混んでいないにもかかわらず、男女関係なく、せんべい布団の敷かれた部屋に詰め込まれた経験を何度もしている私にとっては、個室やベッドで悠々と休めることは、まさに夢のよう。寝室の変化は、料金がかかってもプライベートを保てる部屋でゆっくり休みたいという人が増えていることの表れだと思います。

 山小屋は限られた土地に建てられ、国立・国定公園内で、制約を受けて改築が思うようにできないところも多いのですが、登山者のニーズに合わせ、こうした設備を整えるところが増えてきたことは喜ばしい限りです。

登山者を元気づける山小屋の食事…

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執筆=小林 千穂

山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。

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