クリスマスや忘年会など暴飲暴食をしやすい暮れの時期を越えたのに、暦が変わっても、新年会や挨拶回りなどが続きます。ビジネスパーソンの風物詩とはいえ、1月は寒さも相まって、心身ともに不快な症状が抜けない「冬バテ」に陥りやすい季節です。新年早々、「やる気が出ない」「心身の疲労が抜けない」「肌荒れが絶えない」といったことのないよう、予防・改善を心がけましょう。
「冬バテ」の原因と5つの対策
寒さによって血液循環が滞ったり、室内外の寒暖差が激しいことで自律神経が乱れたりすると、脳や内臓、筋肉など体内の働きが鈍くなります。その結果、倦怠(けんたい)感や疲労感、イライラ、筋肉のコリ、食欲の減退、胃腸の不調、冷え性、頭痛など、さまざまな不調を招きやすくなります。
車や電車での移動、建物への出入りをすれば、内・外気温の温度差が感じられるでしょう。また、昼夜の温度差も避けて通ることはできません。そのため、冬バテを予防・改善するためには、自ら積極的に体を温めたり、自律神経を整えたりする工夫が必要です。
サントリー健康情報レポートで「夏バテだけじゃない!『冬バテと自律神経の変調』」を監修している福田千晶先生(医学博士・健康科学アドバイザー)によると、冬バテを防ぐために心がけたい生活習慣は、次の5つ。
1.体を温める
2.呼吸と姿勢を意識する
3.急に体を冷やさない
4.室内でできる運動を
5.食事は規則正しく、バランス良く
体を温めて血液循環を整え、ゆったりとした呼吸や運動で心身をしなやかにし、バランスの良い栄養補給を行うことで、脳や内臓の働きがスムーズになります。
今日から実践できる、簡単冬バテ対策…
今すぐ大胆にライフスタイルを変えることは難しいですよね。簡単で、今すぐに取り入れられるものから実践し、生活の中に冬バテを予防・改善する取り組みを増やしていきましょう。食事面、運動面、生活面に分けてご紹介します。
<食事面>
野菜や果物、きのこ、海藻類を積極的に食べる
消化・吸収の働きやエネルギー代謝をサポートするビタミン・ミネラル類は野菜や果物に豊富に含まれます。また、緑黄色野菜やきのこ、海藻類には、体内の老化を抑制する抗酸化成分が豊富です。冬場のオススメは、何と言っても鍋料理。多くの食材を一度に食べることができ、同時に体を温めることができます。
温かい飲み物を飲む
水分補給には、白湯やハーブティーなど温かい飲み物を選びましょう。作業をしながらダラダラと飲むのではなく、休憩時間を設けて深呼吸し、リラックスしながら飲みましょう。自律神経が整い、体液が循環しやすくなります。一方で、コーヒーや緑茶などのカフェイン入りの飲み物は、体内を緊張させる原因になりますので、できればカフェインレスの物を選びましょう。
<運動面>
ストレッチや散歩など、隙間時間にゆったり行える運動を
寒い季節は、筋肉が緊張して凝り固まりやすく、急に動かしたりすると体を傷める恐れがあります。体液循環をスムーズにし、筋肉の動きをしなやかにするためには、ヨガやストレッチ、散歩など、ゆっくりと体を大きく動かす運動を取り入れましょう。全身の筋肉をバランス良く動かすことができるラジオ体操もオススメです。
スポーツをする場合は……
スキーやスノーボードといったウインタースポーツに限らず、ランニングやサイクリングといった普段のスポーツでも準備運動を行いましょう。いつもよりも入念な準備運動によって筋肉をほぐし、関節の可動域を広げることで、ケガや不調の予防になります。
<生活面>
お風呂
体を温めるためといって、急に熱いお湯に入るのは危険です。お風呂は特にヒートショックが起きやすい場所ですから、入浴前には、脱衣室もあらかじめ暖めておきましょう。お風呂では熱過ぎない温度(38〜40℃)のお湯に、ゆっくりと入るようにしましょう。
首やおなか、足を温める
日常生活では、腹巻きやマフラー、靴下などを使っておなかや首、足首などを冷やさないように心がけましょう。これらの部分を温めることで、体液循環をスムーズにする効果が期待できます。
カーテンを開け、日光を浴びる
日が短い冬は、薄暗さとともに気持ちも沈みがちです。朝はカーテンを開けて日光を取り込み、体内を活動モードへと切り替えましょう。太陽が出ている時間帯に外に出て新鮮な空気を吸うことも、気持ちの切り替えに役立ちます。
寒暖差に負けないよう、体を温める工夫を忘れずに、大きく体を動かして体液循環を整えましょう。冬バテ知らずの体力・気力を整えてエネルギッシュに活動し、健康体で新たな1年をスタートしてください。