急務!法対応(第13回)
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公開日:2019.09.13
2019年5月18日(土)~21日(火)に米国サンディエゴで開催された消化器病学会(米国消化器病週間)で「日本人の慢性便秘症とQOL(生活の質)の大規模調査結果」が発表されました。
発表によると、「慢性便秘症(※1)」を経済損失に換算(※2)すると年間約122万円にのぼり、同じ生活習慣病における2型糖尿病の約81万円や胃食道逆流症の約107万円などをしのぐことが分かりました。便秘は体質ではなく、所得差や精神面での影響につながる「病気」として考え、予防・改善のための対策を講じる必要があるようです。
今回は、仕事や生活の質を高める便秘の予防・改善法について、専門家の方々にお話を伺いました。
※1 便秘とは、本来体外に排出すべきふん便を十分量かつ快適に排出できない状態で、この便秘が慢性的に続く(6カ月以上前から症状があり、最近3カ月間は便秘の状態にある)場合、「慢性便秘症」といいます
※2 労働生産性の損失を、日本人の平均賃金を考慮し試算した数値
先述の大規模調査を行った1人である兵庫医科大学の三輪洋人(みわ ひろと)先生によると、調査の結果慢性便秘症患者は、欠勤までには至らずとも体調が万全でないために遅刻や早退などで仕事を中断する割合が多く、非便秘患者と比較して労働生産性が約1.7倍低いことが分かりました。便秘でも病院を受診していない人も多く、市販薬を購入している人は、病院を受診している人の3倍近くいるという報告もあるそうです。
同調査における慢性便秘症患者の健康関連QOL比較では、精神面での影響が胃食道逆流症や2型糖尿病に匹敵するほど大きいことが判明。三輪先生は「便秘体質だから、と放置せず、まずは専門医を受診し、自分が便秘症であるかどうかを知り、適切な治療を行うことが大切です」と語ります。
「便秘対策は、生活改善などの日常対策がとても大切です。重要なのは、(1)水分摂取(2)食物繊維の摂取(3)運動の3つ。脱水にならないことと適度の運動を行うことは基本ですが、食物繊維の摂取は対策として特に重要です。中でもオススメは「キウイフルーツ」。キウイフルーツの食物繊維は保水力が高いという科学論文(※3)が発表されていて、スムーズな排便が期待できます」と三輪先生。慢性便秘症の改善だけでなく、便秘の予防や日々の栄養バランスの調整にもオススメだそうです。
※3 Sims and Munro(2013) Ady food Nutr Res.68:81-99
1日の摂取目安については、「日本人の食物繊維の摂取量は、基準の18~20gを下回り、平均で14.4gです。食物繊維を豊富に含むものとして、100g当たりでバナナ(約1g)、生わかめ(約3g)やこんにゃく(約3g)などがありますが、わかめやこんにゃくだけで量を取ろうとすると、なかなか大変。キウイフルーツ(ゼスプリ・グリーンキウイ)の場合、食事に1個プラスすることで3g取ることができ、1日2個を摂取することで、足りない分の食物繊維を補うことができます。食習慣の改善は継続が大切ですから、手間のかからない方法で取り入れましょう」と語りました。
キウイフルーツは免疫力を強化するビタミンCが豊富なため、日々の体調管理にも役立ちます。詳しくは第18回をご覧ください。
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執筆=Nao Kiyota(Self Training Café)
美容・健康ライター。ダイエットアドバイザー、リンパケアセラピスト、心理カウンセラーの資格を生かし、健康で美しくなるためのセルフトレーニング法を発信している。最近カメラを購入。写真で「もっとわかりやすく」伝えられるよう、日々修行に励んでいる。抹茶ラテ(豆乳・シロップ抜き)と足つぼマッサージが大好き。
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