出張で楽しみたいおひとり様グルメ(第57回)開運祈願を込めて洋食大吉で食べる「ビーフカツ」

雑学

公開日:2021.01.29

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 新年最初の出張ランチは、やはりビーフ(牛)でしょうと心に決めて東京の下町、台東区柳橋を訪れました。

 この一帯には、江戸幕府が管理していた大坂、京都と合わせて三御蔵と呼ばれた広大な米蔵がありました。明治・大正期には、江戸前の料亭や柳橋芸妓(げいぎ)が華やかに街を彩っていた歴史のあるエリアです。現在の街の風情は関東大震災、東京大空襲を経て復興した姿ですが、それでも、通りの柳や古い建物などに往時の面影を感じ取ることができるでしょう。現在では近隣の浅草橋と並んで、雑貨やクラフト好きが訪れたくなる、こだわりの店が続々誕生しています。

 そんな“新しいものと古いもの”とが共存する柳橋を歩いていると、目に飛び込んできたのは「洋食大吉」の文字。黄色地に黒字の看板が目立っています。

 店前のウィンドウには食い道楽で有名な池波正太郎氏のエッセー本『新しいもの古いもの』が飾られ、洋食大吉を評したページに「これはまさに、戦前の東京下町の洋食屋である」との一文が読み取れます。脇に置かれたランチタイムメニューを見ると、結構な数のメニューの中にビーフの文字もしっかり確認できます。これは今回の気分にピッタリとワクワクしながら、地下へ。アルコール消毒を済ませたら、さぁ入店です。

柳橋中央通りを歩けば、すぐにわかる「洋食大吉」の看板

 

心地よい昭和レトロ感

 「入って見て、食べて見て、一瞬、私は戦前の東京へ引きもどされたかのようなおもいがした」と著作の中で池波氏が記した店内は、テーブル席にチェック柄のクロスがかけられ、ザ・ビートルズのBGMが心地よく流れています。個々の席は少し余裕を持たせた配置ですが、聞けばコロナ禍に関係なく、以前からの配置だそうです。

 創業当初は1階路面でガラス張り、大きな窓からは厨房も見えたそう。その後、現地がビルに建て変わる時に現在の地階へ移ったとのことですが、それでも店の雰囲気はそのまま、日常使いの常連が絶えないというのも納得です。昭和レトロが写真映えするのか最近では新規客も増えてきたといい、創業50年を迎えて、ますます地元客に愛される店づくりをされていると感じられました。

「清潔で活気にみちた店内、親切なサービス、良心的な値段と味」と池波氏も絶賛

 

魅力的なメニューの中からビーフ1点張り…

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