出張で楽しみたいおひとり様グルメ(第63回)暑気払いは、ふっくら香ばしい江戸前の「うな重」

雑学

2021.07.27

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 今年の7月28日は“土用の丑の日”ですが、ちょっと早めに夏バテ防止で「うなぎ」を食べに、上野近辺へ出掛けました。

 上野駅から徒歩5分。八代将軍 吉宗公の時代、江戸前の良質なうなぎが捕れたことから上野池之端の辺りには、多くのかば焼き屋が立ち並んでいたそうです。その頃から300年以上、のれんを守り続けている店、それが今回訪れる老舗「伊豆榮 本店」です。

 江戸前といえば「すし」「天ぷら」「そば」そして「うなぎ」を思い浮かべますが、「江戸前」は、もともとはうなぎの代名詞として使われた言葉だといいます。江戸から令和へと、戦争や震災を乗り越えて引き継がれる「伊豆榮」の味は、多くの芸人さんや名のある文豪を魅了してきました。さて、楽しみにしながら、店に入ってみましょう。

“蒲やき”の看板が誇らしい「伊豆榮 本店」。軒先には階段昇降機があり、ここからも訪れる人への気遣いが感じられる

 

不忍池を眺める特等席でいただきましょう

 春は桜で有名な上野恩賜公園。7月中旬から8月の夏の時期は、不忍池に咲くハスの花が見どころです。ふらりと店を訪れても食べられますが、この時期はあらかじめ、不忍池が見渡せる席を電話で予約しておきましょう。もし数人で訪れるなら、別料金で利用できる個室が安心です。目の前に広がる不忍池は、青々としたハスの葉と桃色に咲くハスの花のまぶしさで、写真愛好家も納得の美しさです。風景に見とれていると、外の暑さを忘れてしまうほどすがすがしい気分になりました。

7月頭の不忍池にはハスの花やつぼみがちらほら。これからの見ごろが楽しみ

 

密にならずに過ごせる個室(平日昼/8800円~)利用が安心(※要予約。夜はコース利用のみ)

 

しゃれっ気たっぷり?の「うな重」

 席に着き「うな重」のメニューを見ていて気付いた点が1つ。「松竹梅」の「松」と「梅」の扱いが一般的な店と異なり逆で、「松」3300円、「梅」5500円と梅のほうが高く値付けされています。この理由について9代目・好美女将に尋ねると「本当のところは不明」と前置きしつつ、店では最初からこの順だったといいます。1番価格を抑えたうなぎでも客が威勢よく頼めるようにという、江戸っ子特有のしゃれた配慮なのかもしれませんね。

 気さくな女将に店やうなぎの特長も教えていただきました。

 「うちは関東風の背開きです。武士の町ですからね、切腹をイメージさせる腹開きにはしなかったようです。蒸した後は炭火で丁寧にうなぎを焼き上げます。すると皮は香ばしく、身がふわっとした独特の食感になります。また、たれはしょうゆとみりんで江戸っ子好みの甘辛い味に仕上げているのも特長です」

 なるほど、と今回は真ん中の「うな重・竹」(お吸い物・香の物付/4400円)をオーダー。お吸い物は330円を追加し、「肝吸い」に変更しました。不忍池を眺めながら江戸の町や店の歴史に思いをはせつつ、ゆったりと過ごして約20分、お目当ての「うな重」が運ばれてきました。いよいよ、伝統の味とのご対面です。

「たれに砂糖は使っていません。フタを開けた一瞬で照りが飛ぶから見逃さないでね」と女将

 

こだわったうなぎの味は“特上”の風格…

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