弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話(第94回)時間外・休日・深夜――割増賃金を正しく理解する【後編】

法・制度対応

2022.07.25

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 【前編】では、2023年4月1日から、割増賃金の比率が一部引き上げられることについて注意を促し、割増賃金の概要(割増率)や割増賃金の計算方法などについて見てきました。

 【後編】では、【前編】の解説を踏まえ、前半部分では具体的なケースについて見ていきます。また、後半部分では、誤解しやすいあるいは取り扱いに迷うようなケースについて、いくつか見ていきます。

どのような場合に割増賃金が発生するか

 まず【前編】の確認も兼ねて、どのような場合に割増賃金が発生するのか見て行きます。

・1日単位の時間外労働

 <ケース> 所定就業時間(始業時から就業時までの時間)は午前9時から午後5時、うち休憩時間を1時間(実働7時間)としている会社の場合。

 この場合、18時から22時までが25%以上、22時から翌日5時までが50%(時間外25%+深夜25%)以上の割増率で割増賃金が発生します。また、1カ月の時間外労働が60時間を超えるときは、割増率がそれぞれ50%以上、75%(時間外50%+深夜25%)以上となります。

 注意点としては、法定労働時間(8時間)内であっても所定労働時間を超えた部分(法定時間内残業、17時~18時)にも、残業代が発生するということです。ただし、法定時間内なので、通常の1時間当たりの賃金を支払えばよく、割増は不要です。以上をまとめたのが、図1です。

●図1 1日単位の時間外労働の割増率

 

・休日労働

 <ケース> 法定休日である日曜日に午前9時から午後12時まで勤務。うち休憩時間は1時間(実働14時間)。

 この場合、22時までが35%以上、22時以降が60%(時間外35%+深夜25%)以上の割増率で割増賃金が発生します。なお、法定休日に時間外労働をさせても別途時間外手当を支払う必要はありません。まとめると図2のようになります。

●図2 休日労働の割増率

 

・週単位の時間外労働…

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執筆=上野 真裕

中野通り法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)・中小企業診断士。平成15年弁護士登録。小宮法律事務所(平成15年~平成19年)を経て、現在に至る。令和2年中小企業診断士登録。主な著作として、「退職金の減額・廃止をめぐって」「年金の減額・廃止をめぐって」(「判例にみる労務トラブル解決の方法と文例(第2版)」)(中央経済社)などがある。

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