弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話(第82回)男性の育児参加を後押しする改正育児介護休業法

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2021.07.30

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 「イクメン」という言葉も、一定程度定着したように思われます。しかし、他方で、女性の育児休業取得率は83.0%であるのに対し、男性はわずか7.48%にとどまっています(厚労省「雇用均等基本調査」2019年)。男性の育児休業取得率の政府目標は、2025年に30%とされていますから、このままではとても届きそうにありません。

育児休業取得率の推移(男性)

注:平成23年度の[ ]内の割合は、岩手県、宮城県および福島県を除く全国の結果

 そこで、男性に育児休業取得を促すための規定などを盛り込んだ、改正育児介護休業法が本年(2021年)6月に成立しました。本稿では、この改正法のポイントについて、解説します。

育児介護休業法の概略

 育児介護休業法は、とても複雑な規定ぶりとなっていますので、まずは概略についてまとめてみましょう。同法は、一言で言えば、育児休業や介護休業の制度などを設けて、従業員の仕事と育児や介護の両立を図ろうという法律です。同法が規定している制度をまとめると次のとおりとなります。

Ⅰ.育児のための両立支援制度

 1.子が1歳未満(一定の場合は2歳未満)の従業員が利用できる制度
  (1)育児休業

 2.子が3歳未満の従業員が利用できる制度
  (2)短時間勤務等(所定労働時間の短縮等)
  (3)所定外労働の制限

 3.子が小学校就学前の従業員が利用できる制度
  (4)子の看護休暇
  (5)法定時間外労働の制限
  (6)深夜業の制限

Ⅱ.介護のための両立支援制度

  (1)介護休業
  (2)短時間勤務等(所定労働時間の短縮等)
  (3)介護休暇
  (4)法定時間外労働の制限
  (5)深夜業の制限

 育児と介護のいずれにおいても、従業員がこれらの制度の利用を申し出たことなどを理由として、事業主がこうした従業員を不利益に取り扱うこと(例えば、解雇することなど)は禁じられています。

 今回の育児介護休業法の改正は、出産・育児による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女共に仕事と育児を両立できるようにすることを目的としています。とりわけ男性の育児休業取得を促進することを趣旨として、主に育児休業に関する規定を見直すものです。

 改正法の施行は3段階に分かれていることから、以下では、事業主がそれぞれの施行段階で何に対応すればよいかが分かるように、施行順に改正のポイントを解説していきます。

2022(令和4)年4月1日から施行となる改正…

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執筆=植松 勉

日比谷T&Y法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)、平成8年弁護士登録。東京弁護士会法制委員会商事法制部会部会長、東京弁護士会会社法部副部長、平成28~30年司法試験・司法試験予備試験考査委員(商法)、令和2年司法試験予備試験考査委員(商法)。主な著書は、『会社役員 法務・税務の原則と例外-令和3年3月施行 改正会社法対応-』(編著、新日本法規出版、令和3年)、『最新 事業承継対策の法務と税務』(共著、日本法令、令和2年)など多数。

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