弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話(第34回)アルバイトの人材確保に「有給休暇」を利用しよう

働き方改革 法・制度対応

2017.04.28

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「売り手市場」でアルバイトの確保も難しい時代に

 厚生労働省によると、アルバイト(パート)に限定した2017年2月の有効求人倍率は「1.74倍」でした。15年2月が1.46倍、16年2月が1.63倍だったことを考えると、徐々に増えていることが分かります。

 有効求人倍率が増えているので、働き手が勤務先をえり好みできる「売り手市場」です。アルバイトの時給も徐々に高くなっており、リクルートジョブズの調査によると、3大都市圏の17年3月度における平均時給額は、前年同月より22円高い999円となっています。今や、企業は簡単に、コストをかけずに、働き手を確保できる時代ではなくなっているのです。

 人手不足の時代に人員をそろえる手段としては、シンプルに時給を高くするという方法もありますが、それ以外に「アルバイトの有給休暇の制度を整える」ことで、彼らにとって働きやすい環境をアピールするという選択肢もあります。

 今回は、スタッフを確保するための手段の1つとして、アルバイトの有給休暇制度を利用する方法ついて解説します。

週5日、1日4時間勤務するアルバイトに付与される有給休暇日数は?

 たとえアルバイトであっても、条件を満たした従業員に対しては、有給休暇を付与する必要があります。これを認めないと、労働基準法第39条に違反しているとして、6ヶ月以下の懲役刑、または30万円以下の罰金刑が与えられる恐れがあります。法律に基づく権利ですから、企業規模は関係ありません。

 とはいえ、全てのアルバイトに、正社員同様の有給休暇が与えられるわけではありません。労働日数や労働時間によって、付与される日数が異なったり、付与されないケースもあります。

 例えば、週5日以上勤務しているアルバイトの場合は、フルタイム勤務の正社員と同じ内容の有給休暇が付与されます。全労働日数の8割以上出勤し、雇い入れの日から起算した勤続期間が6カ月経過した場合に、10労働日の有給休暇が与えられ、その後1年6カ月ごとに日数が加算されます。

 一方で、週の労働日数が少ない場合は、付与される有給休暇の日数が減ります。週の所定労働日数が4日の場合は、勤続期間6カ月後に付与される有給休暇の日数が「7日」となります。以下、3日の場合は有給休暇が「5日」、2日は「3日」、1日は「1日」となります。

 例えば、スーパーで週5日、1日4時間だけレジ打ちをしているアルバイトのケースを考えてみましょう。この場合は、労働時間にかかわらず、週に5日働いているので、正社員と同様、雇い入れから6カ月後に10日の有給休暇が付与されることになります。また、清掃スタッフとして週1回だけ勤務しているアルバイトも、6カ月後に有給休暇が付与されます。

 もちろん、全労働日数の8割以上に出勤していることが前提条件のため、欠勤が多過ぎるアルバイトには、有給休暇は付与されないことになります。また、勤務期間が6カ月未満の短期バイトにも、有給休暇は付与されません。

有給休暇制度を人手確保のツールに…

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本間 由也

こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士

1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。

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