弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話(第1回)悪質なクレーマーから会社を守るために必要なこと

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2015.07.13

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 はじめまして。本間由也(ほんまゆうや)と申します。現在、こだまや法律事務所の代表弁護士として、会社や家庭におけるさまざまな法律問題に、分野を限定することなく取り組んでおります。

 私は、東京といわゆる司法過疎地(島根県隠岐郡)での執務経験から、紛争予防や紛争解決のためには、法的知識以上に、「法的な考え方」が重要であると実感しています。そこで、この連載では、気が付けば「法的な考え方」ができるようになることを目標として、情報を提供させていただきたいと思います。

 さて、最近何かと話題になっているのが「クレーマー」です。しかし、一言にクレーマーと言っても、企業側に落ち度があり、その落ち度を正そうとする正当なクレーマーと、些細なことに言いがかりをつけて不当に金銭や謝罪などを要求してくる悪質なクレーマーがいます。

 前者の場合は企業がより成長していくためのきっかけを与えてくれる大事なお客さまであると言えますが、みなさんはこの「お客さま」と「悪質なクレーマー」との区別ができますか?悪質なクレーマーは、正当なクレーマーと区別し、法的観点による毅然とした対応が必要です。それでは、悪質なクレーマーの区別と、その対策を考えてみましょう。

悪質なクレームとは?

 商品やサービスをしっかりと提供していても、クレームは発生します。こんな場合、悪質なクレームとそれ以外をわけるためには、クレームの内容と手段に着目することが有用です。まずクレームの内容に関しては、以下の2つに分けることができます。

・お客さまに何か損害が生じたというクレーム
・それ以外(たとえば店員の不快な態度、商品の改善点などの指摘)のクレーム

 お客さまに何らかの損害が生じたというクレームの場合、企業側に法的責任が発生することがあります。企業側に法的責任が生じていれば、それは正当なクレームと言えますが、そうでない場合は悪質なクレームとなる可能性があります。

 それ以外のクレームは、原則として企業側の法的責任には直結しません。そのため、企業倫理を別にして法的観念から考えれば、企業が何等かの対応をする必要はありません。この場合、クレームに対して企業が一定の結論を出したにもかかわらず、その後もクレーマーからの要求が継続しているかどうかが、悪質なクレームと判断する上で重要になります。

 また、いずれのクレームにおいても、手段が違法な場合(刑法の業務妨害罪強要罪等になるような場合など)には悪質なクレームといってよいでしょう。

 つまり、悪質なクレームとは、…

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本間 由也

こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士

1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。

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