弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話(第16回)良い弁護士の選び方、ダメな弁護士の見抜き方

法・制度対応

公開日:2015.10.22

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 弁護士によって組織されている日本弁護士連合会は、1990年の司法制度改革宣言以来、市民の司法の実現を目指し活動をしてきました。その結果、2000年には、全国で約1万7,000人しかいなかった弁護士が、2014年では、約3万5,000人にまで増加しました。今後も増加が予想されます。

 これだけ弁護士が増加すると、その中から誰に相談をするのがよいのかわからなくなります。そこで、最終回である今回は、失敗しないための弁護士の選び方を考えてみましょう。

良い弁護士の条件

 誰であれ、なるべく良い弁護士を探したいと思うものです。そこでまず、どんな弁護士が良い弁護士といえるか考えてみましょう。

 弁護士の仕事は、基本的にはオーダーメイドであり、定型的な処理には向きません。そのため、高度な法的知識の他に、最低限依頼者としっかりとコミュニケーションが取れ、迅速・的確なアドバイスをしてくれることが必要です。

 このようなことをいうと、意外と思われるかもしれません。しかし、2014年版弁護士白書によると、依頼者からの弁護士に対する苦情申立ての内容で最も多いのが、対応・態度等(約32%)であり、その次に多いのが事件処理の仕方(約25%)となっています。このように現実に紛争となっている以上、コミュニケーション能力やアドバイスの内容については、依頼者側でも吟味をする必要があるでしょう。

 コミュニケーションがとれるかどうかは、弁護士が依頼者の言い分を丁寧に聞いてくれるか、弁護士が依頼者にわかるように説明しようとしてくれているかなどで判断することができます。依頼者の話を聞かない弁護士は要注意です。思い込みで事件処理を進められ、あとからそんな話は聞いていないなどとトラブルになりかねないからです。また、ごくまれに依頼者とほとんど面談をしない弁護士もいるようですが、そのような場合にも要注意でしょう。

 迅速・的確なアドバイスがなされているかどうかは、対応までの時間、自分に不利な点も指摘されているかどうか、契約書などの証拠の有無、内容にも関心をもっているかどうか、とりうる方針や料金の説明がしっかりとしているかで、最低限大丈夫かどうかが判断できます。

 また、たとえば「Aという事業をしたい」という相談に対し、「法律では~となっている。」という回答だけではなく、「その結果、Aという事業ができる(できない)」という具体的なアドバイスまでするか否かもポイントです。その後「Aができない場合には、Bという方法を使って同じ目的を達成できる」という違う観点からのアドバイスができる弁護士や、法律相談後に何をすべきかが明確にわかる弁護士は、より良い弁護士といえるでしょう。

良い弁護士を選ぶ基準

 では、そのような良い弁護士をどのようにして、探せばよいでしょうか。知り合いがいないような場合、まず考えられるのが、インターネットや広告などによる情報収集でしょう。

 しかし、残念ながら、これだけでは、良い弁護士かどうかを判断することはできません。よく聞かれる判断基準をいくつか検討してみましょう。

【1】ベテランがよいか、若手がよいか?…

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本間 由也

こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士

1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。

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