アスリートに学ぶビジネス成功への軌跡(第23回)9個の金メダルに輝く陸上のスター カール・ルイス

人材活用

2020.05.21

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 1984年に開催されたロス五輪の開会式はテレビで見ていて驚いた記憶がある。背中にロケットを背負った通称ロケットマンが、聖火台の下から映画007シリーズのジェームス・ボンドばりに空中へ飛び出すといったアトラクションが用意されていたからだ。映画の都ハリウッドを擁する国で開催される五輪は、なんとも米国的で娯楽色が強いと感心させられた。

 競技が始まると、母国開催ということもあり、いつもの大会に比べても米国選手の活躍が見る者を楽しませてくれた印象がある。その筆頭は陸上競技のカール・ルイス選手だろう。

 100m、200m、走り幅跳び、400mリレーで次々と金メダルを獲得した。競技を前にしたカール・ルイスは、「世界記録を狙うか?」という記者の質問に次のように答えている。

まず何より金メダルです。一度しかないチャンスですからね。記録を破るチャンスはいくらでもあります。でも、メダル獲得のチャンスは今回だけです
(カール・ルイス アマチュア神話への挑戦 カール・ルイス、ジェフリー・マークス共著 山際淳司翻訳)

4つのオリンピックで10個のオリンピックメダル

 その言葉通り、カール・ルイスは金メダルを取った。しかもエントリーした4種目のすべてで金メダルを獲得してみせたのだ。

 しかし、メダル獲得のチャンスは今回だけ、というのは自身への過小評価だったようだ。4年後のソウル五輪でも100mと走り幅跳びの金メダル2個、200mで銀メダル1個を獲得。次のバルセロナ五輪では、走り幅跳び、400mリレー2個の金メダル。さらに96年のアトランタ五輪でも走り幅跳びで金メダルを獲得することになるからだ。

 それにしても、と今更ながらに思う。いくつもの競技でいくつものメダルを取ることは素晴らしいが、そのために他のアスリートの何倍もの練習をこなすことになるのだろう。けがをするリスクも高くなる。二兎ならぬ、三兎、四兎を追うことはかなりのむちゃだったのではないだろうか?

短距離にも強い、幅跳び選手をめざして…

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執筆=藤本 信治(オフィス・グレン)

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