アスリートに学ぶビジネス成功への軌跡(第55回)世界のホームラン王 王貞治を生んだ奇跡の出会い

人材活用

公開日:2023.01.06

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 王貞治さんの野球人としてのキャリアを振り返る時、真っ先に飛び込んで来るのがシーズン公式戦通算本塁打数868本という数字だろう。

 868本!なんともすさまじい記録である。単純に計算すると、シーズンに50本のホームランを量産するという離れ業を17年以上も続けて達成できる数字だ。

 2022年には、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が、王さんが1964年に打ち立てた日本選手最多のシーズン55本という記録を破る56号本塁打を達成し、大きな注目を集めたことは記憶に新しい。

 その快挙には惜しみない拍手を贈りたいが、それでも22年間にわたる現役生活で868本というホームランを放ってみせたという事実は色あせることはないだろう。本塁打記録に挑む中、王さんは1977年には当時の米国メジャーリーグの本塁打記録であったハンク・アーロン選手の755本という記録を抜き、世界のホームラン王となったのだから。

 そのホームラン王への歩みを仮にドラマ化するのであれば、ドラマの冒頭は、時は1954年11月、舞台は東京の隅田公園今戸グラウンドがふさわしいのではないだろうか。

 当時、中学2年生の王さんは、野球クラブの一員として試合をしている最中だった。そこにたまたま散歩の途中である男性が通りかかる。その男性は、王少年を見ていた。王少年は投手としては左投げだが、打つのは右。男性は見ていて違和感を覚え、思わず王少年に声をかけた。その時のことを男性は次のように語っている。

「どうして右で打ってるんだ?」と言うと「別に理由はない」と。「左利きなんだから、左で打ってごらん」と。男性は王少年にアドバイスした。王少年はそのアドバイスを聞き入れて左打席に入り、そして二塁打をかっ飛ばすのである。
(NHKBS 昭和の群像 王貞治物語参照)

 それが運命的な出会いの序章。その男性こそが当時の毎日オリオンズの現役選手であり、後に王さんをコーチとして指導する荒川博さん、その人だったのだ。

荒川コーチのもと一本足打法を開眼…

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執筆=藤本 信治(オフィス・グレン)

ライター。

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