アスリートに学ぶビジネス成功への軌跡(第54回)有森裕子 五輪女子マラソン二大会連続のメダリスト

人材活用

公開日:2022.12.06

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 有森裕子さんは、1992年に開催されたバルセロナオリンピックの女子マラソン競技で銀メダルを獲得した。日本女子陸上競技においてメダルを獲得したのは、1928年のアムステルダムオリンピックの女子800mで銀メダルを獲得した人見絹江さん以来2人目であり、実に64年ぶりの快挙だった。

 さらに有森さんは続く1996年のアトランタオリンピックでも見事銅メダルを獲得し、二大会連続のメダリストとなった。日本の女子陸上競技史上で複数のメダルを獲得したのは、有森裕子さんただ一人。素晴らしい実績だ。

 そしてその実績と共に、有森裕子というアスリートを際立たせているのは、マラソンこそが自分を輝かせてくれるものだという強い信念のもと、マラソン競技のスタートラインに立つことをめざし、自ら道を開き、想像を超えるような努力を続けた、その長い、長い物語だろう。

 有森さんは、お母さんの胎内にいた時に逆子だったため、その矯正によるものか、生後2カ月で両足股関節脱臼と診断され、幼児期はギプスをはめていたという。

そのせいでわたしの足はいまでも曲がっている。つまりO脚だ。走るときにも、内側に跳ね上げて走る。傾けなくてもいいところでからだを傾けるので、すぐに転ぶ
(わたし革命 有森裕子著)

 さらに小学2年生の時にダンプカーに接触し、くるぶしがつぶれるという事故に遭う。その影響で足が上がりにくくなり、いわゆる「べた足」になった。

 幼少期にそうしたハンディを背負いながらも活発な少女だった有森さんは、中学時代の3年間、体育祭の800m走に出場し、3度とも1位でゴールした。テープを切った瞬間、自分が変わったような錯覚を覚えたという。そんな成功体験が有森さんをランナーの道へと導いていった。

陸上部の監督に1カ月間入部を懇願…

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執筆=藤本 信治(オフィス・グレン)

ライター。

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