アスリートに学ぶビジネス成功への軌跡(第31回)

ディエゴ・マラドーナ サッカーの神様に愛された男

2021.01.28

クリップについて

 ディエゴ・アルマンド・マラドーナ。彼の訃報に接して、そうだった、彼のファーストネームはディエゴだった、と改めて思い出された。

 “ディエゴ”という名前には今も心動く何かを感じる。

 子どもの頃に好きだったディズニー製作のテレビドラマ「快傑ゾロ」の主人公の名が、スペイン語の敬称であるドンを冠したドンディエゴだった。まだスペイン領だったメキシコの田舎町を舞台に、圧政に苦しむ人々のために黒装束とマスクで謎の剣士ゾロにふんしたドンディエゴがスペイン政府の役人や兵士に挑み、見事なサーベルさばきと身軽さで敵を翻弄し、やっつけ、民衆が歓喜する中を愛馬にまたがりさっそうと走り去っていく。アラン・ドロンやアントニオ・バンデラスの主演で映画化もされているのでご覧になった方も多いだろう。

 そのゾロの活躍が色あせるほどの痛快で胸のすくようなプレーの数々をピッチの中で見せたのが、我らがディエゴ・マラドーナである。

世界を沸かせたメキシコ・ワールドカップのプレー

 数々の名プレーの中でも、世界中のサッカーファンの脳裏に今も鮮明に残っているのが「5人抜き」ドリブルとゴールだろう。しかも1986年に開催されたFIFAワールドカップの準々決勝という大舞台で、対戦相手はイングランドだったのだ。

あのゴールをもう一度見返すと、あんなことをやったのが嘘のように思えるんだ。別に自分がやったからじゃない。でも、あんなゴールをやるのは不可能に思えるんだ。
(マラドーナ自伝 ディエゴ・アルマンド・マラドーナ著 金子達仁監修)

 身長160センチ台半ば、小柄でぽっちゃりとした体形のマラドーナだが、ボールを踏み、くるっと体を回転させてイングランド選手2人の間を駆け抜けると、続けて1人、さらにもう1人を巧みな素早いドリブルで抜いて進み、最後はキーパーまでかわしゴールを奪う。マラドーナ本人でさえ信じられないようなゴールに世界中が沸いた。

 この試合では、ボールがマラドーナの手に触れたにもかかわらず、反則を取られることはなくゴールが認められた、いわゆる「神の手ゴール」も伝説となった。試合後、マラドーナが「あのゴールはマラドーナの頭と神の手によるものだ」と語ったことからそう呼ばれている。

少年のような純粋さでサッカーを愛し続けた… 続きを読む

続きを読むにはが必要です。
まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

SID : 00137031

執筆=藤本 信治(オフィス・グレン)

ライター。

関連のある記事

連載記事≪アスリートに学ぶビジネス成功への軌跡≫

PAGE TOP

閉じる
会員登録(無料) ここでしか読めないオリジナル記事が満載
閉じる